「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2011年 3月5日 号

2011年 3月5日 号 新月

2011年 弥生やよい 平成23年、昭和86年、大正100年、明治144年

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コルビジェとノアの方舟と防水

船→建築

「コルビジェが目指したもの 船→建築」という企画展が横浜の日本郵船歴史博物館で4月3日まで開催されている。
「近代建築の巨匠ル・コルビジェ(1887-1965)をはじめとする建築家たちにとって、かつて船は機能性・合理性の象徴であって、建築が目指すべき規範として認識されていました」と企画者は言います。
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「水コンペ」の受賞作品をじっくり見て、来年は100万円獲得を目指せ!

展示会場

日本有数の歴史を誇る「水コンペ」。
受賞作品が建築学会で2月18日(金)まで展示。
建築学会ギャラリーでの展示
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詩になったアスファルト ~~瀝青の鏡~~

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銀色の魚は瀝青(れきせい)の水中をよぎる
「アスファルトは安全である」と訴えるより「アスファルトを美しいと感じる人がいる」ことに注目したらどうだろう。
防水のプロの間では性能面で高く評価されたとしても、現場で200度近い高温が必要な「熱アスファルト防水工法」が、今の時代に相応しいかどうかという点では、マイナス点はいくつも列挙できる。その一つ一つに反論していくことがはたして、効果的なのだろうか?>>全文を読む

絵日記

咲いた!
鶴川絵日記

有刺鉄板
有刺鉄板

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あるコスモポリタンの憂国(『選択』連載10)

屋上緑化で平成の平賀源内に学びます

ヴァッサーハウス

屋上で最先端の園芸を「遊ぶ」
屋上緑化が趣味の防水ジャーナリスト佐藤孝一さんが、あるマンションの緑化セミナーで話していたことです。屋上緑化に興味を示す人は、よくいえば「知的レベルが高い」「環境問題に積極的」悪く言えば「頭でっかち」「やってみる前に情報を収集する」こんな風だったと記憶しています。

緑化だけ考えればどう見ても、地上でなく屋上に緑を置くことは、割高である。それをやろうというのだから、環境に対する意識が高い。だから緑化も無農薬、オーガニック、さらには無肥料化をめざしたりするのは珍しくない。病害虫に対しては天然由来の忌避剤をまず使おうとする。勉強熱心だから、バイオも研究し「ピロール農法」なんて言葉も出てくる。屋上に限らなければ「パーマカルチャー」なんて言葉は常識だと言います。

屋上緑化を経済効果や環境保護の「あるべき論」だけで議論しても始まらない。割高な屋上緑化を選択するのは、詰まるところ「遊び」だから。屋根の上の土いじりで、いろんな実験をして、知的好奇心を満たしながら、おまけに花や野菜が楽しめる。提案する側は、使用者側が持つこの「遊び」感覚をどこかで共有していないと、ただ紋切り型の営業トークで「環境に良い」「トータルでメリットがある」なんて屋上緑化を提案しても差別化はできない、と言う話です。

ピロール農法表紙

私は「ピロール農法」は知らないけど、「確か家にそんな冊子があったはず」と、探してみるとありました。これです。

早速ルーフネット編集部鶴川支局の屋上菜園で試してみようと思い、読み始めて、本当に驚きました。全くの偶然。この冊子の発行者・黒田与作さんの名前の横に、ルーフネットの理解者である紺野大介氏の名が、「顧問」として載っていました。

紺野大介教授のお墨付きを得て、私は安心して「屋上緑化防水」と「屋上菜園におけるピロール農法の実践」の「楽しい関連付け」に取り掛かります。

ほれぼれうんこ・紺野大介
この左ページ下に紺野大介さんの名が。

シアノバクテリア農法改革

清華大学招聘教授 紺野 大介

『選択』連載10

「北陸の発明王」といわれた酒井弥氏にお会いしたことがある。氏は阪大で理学博士となり、カリフォルニア大学など北米へ十年間留学。言葉のハンディを克服しつつ本業、すなわち「科学する心」でも米国人に負けない研鑽を積んで帰国した。長男だったため形の上では家業を引継ぎ「造り酒屋」の経営者となった。しかし活躍の場は自ら酒井理化学研究所の主宰となり篤志家・福岡正氏の後ろ盾も得て、有機化学、高分子などの専門領域で奇想天外な発想のもと、「発明工房」として多数の発明実績を残した人物といえるであろう。
 酒井博士の科学は「面白く、為になり、人類が得をする」がモットー。卵と牛乳で人工象牙、ガラス屑で河川の浄化、非鉄金属鉱滓から電磁波シールド板、腐敗しない人工土壌、過冷却現象を利用した融雪塗料、百円ライターを利用したペン型発煙筒など多数の発明をなした。中でも泡の廃棄処理に困っていた某大手ビール会社から解決を依頼され、ビールの泡を重合して人工べっ甲の作成法を発明。天然物の捕獲不可からべっ甲が取れなくなった環境を一石二鳥で解決し、ビール会社のトップを「平成の平賀源内」と感嘆させたそうである。
 四、五年前に「ピロール農法研究所」によるシアノバクテリア(以下「藍藻」)による基礎をおいた農法の全国大会において、主催者の黒田与作氏の紹介で講演者の酒井氏にお会いした。氏が、藍藻こそ
農業の連作障害を解決できる切り札として、その奥深さ、面白さ、無限の可能性を話されたのはこの間のこと。思えば亡くなる半年前であった。
 門外漢の私がバイオエコロジー系の書籍を読み漁り、友人の官僚から農政・票田・農協の利権がらみの根深い問題も聞き、素人ながら藍藻を観察、光合成を確認し、藍藻用資材の製作現場を見、農地へ立ったのはそれからのことである。無論そんなことだけで農法の千分の一、万分の一も分かりやしない。しかし氏の生きる姿勢に惹かれたことも一つの衝動となった。氏の長男は米国で一級の国際弁護士となっているけれど、「造り酒屋」の後継がない。このため故人の遺言で約千五百坪もの老舗酒屋を自費で処分・更地化し、今立町(現越前市)へ寄附したそうである。公僕である筈の代議士の家屋敷の垣根が高くなる一方の世の中で、このような人物が衆参議員の大半を占めるようになれば国会も凛然となるであろう。

『選択』連載10

「藍藻」は地球創生後の今から三十二億年前、南アフリカの地層から生物の世界最古の化石として発見された。酒井氏によれば藍藻は単細胞植物で、バクテリアと共に原核生物で、クロレラのような真核生物と区別される。藍藻は光合成により二酸化炭素から酸素を発生、放出する。核を持たないことから藍藻を細菌として扱い「シアノバクテリア」と呼ぶことが多い。また細菌の中には光合成を行うものもあるが、酸素は放出しない。この点で細菌とも異なる。しかも、増殖は常に無性的に行なわれる。藍藻は世界中至る所に分布し、温度に関係なく、湿っていれば海水中でも淡水でも、空中に露出した場所でも、熱い温泉の中でも生育する。米国イエローストーンのマンモス・ホットスプリングの周辺が着色しているのは藍藻のためである。土壌中でも、石灰中でも繁殖する。また空気中では窒素を固定する能力がある。
 藍藻は土壌中にCO2を出す現行の有機肥料と異なり、CO2を使って大気中や土壌中にCO2を放出する。酸素は人間や他の動物にとっても必定。自然界の平衡状態を維持する重要な役割を果たしており、CO2が地球温暖化の原因だとすると、一段と理解できる。藍藻は田畑の肥沃化には必須のものであり、氏とピ農研との三十年以上の地道な研究成果に裏付けられているように、無農薬による土壌復活、それに基づく顕著な高栄養価作物との相互作用がかなり検証されている。「藍藻」のこの不思議な働きに最初に注目したのは福井県農業試験場の寺島農学博士。最適肥料の研究途上、紅色細菌に酸素発生に必要なマンガン錯体がついた光化学反応を発見した。その後酒井博士に基盤的なメカニズム研究が委ねられた。

 ドイツの名門ベルリン・フンボルト大学の友人T.Börner(バーナー)教授らに生命科学研究所で会い藍藻について意見を聞いた。旧東ベルリン市街地にある。教授は二十年以上シアノバクテリア研究をしており、千五百種類もあるシアノバクテリアのデータベースを構築中。医薬の本質を変えるべく藍藻による創薬業事業を目指している。藍藻が在る所に生物が存在、転じて人類が生存できるという根源の認識。多種多様のシアノバクテリアの性質を分析し、人体に効能効果が認められる約八百種類について抽出。各種実験室で動的攪拌、温湿度耐久試験、異性種による相互作用などを通してシアノバクテリアの本質に関する基礎研究と応用研究を実施している。そして大学発ベンチャーを作り、従来の人工的なケミカルコンパウンドに代わる生理活性物質を中心に天然創薬の商品開発を急いでいた。教授らは日本が世界に先駆け三十年以上前から藍藻の知見を蓄積している事実に驚き、敬意を示し、農法改革の考え方に眼を見張ったものである。

 現在の我国の農地は農薬や酸性雨等で汚染が極度に進行し、藍藻が簡単には増えない土壌となった。しかし終戦までは藍藻が潤沢。藍藻リッチの土壌の作物は米から野菜、果物に至るまで骨力を高めるデータがあり「骨が豊かな人の力」を「體力」(たいりょく)と書いた。今の「体力」ではない。第二次世界大戦時、日本の兵隊は三十㎏の背嚢を背負って二十㎞も歩き米兵を驚かせたという記述が米国にある。米国は日本兵の強靭さの原因が食事(特に米と魚)にあると推断。日本の五百カ所の土を本国に持ち帰り、化学分析の結果その主因が「当時の土壌」に依っていることにを突き止めたのである。戦争終結に原爆投下までした戦略国家・米国は、日本の戦後処理の一環として、優秀な日本人を弱体化させる第一の方途は土壌汚染(農薬をばら撒かせること)、第二に海岸縁に四大工業地帯を作らせ海洋汚染(魚を汚染させること)―――と結論付けたとの説もある。また現実そうなってもいるのである。付言すれば今また農政当局が〝日本農業の不振?〟を理由に「農産物の関税など国境措置撤廃」という食糧外国依存への傾斜を強めている。国民の食糧自給ができずに国家の安全保障は可能なのか?他国が食糧等危機時に一体誰が日本に兵糧を送ってくれるのか?―――電力、ガソリンを手足に譬えるなら食糧は国家の心臓である。

『選択』連載10

 日本は清浄だった土壌・大地を復活させるのに藍藻はこれ以上無いといわれるほど諸条件を備えている。ピロール環が四つ集まると「テトラピロール」という有機物になるが、その資材となるべき排泄物は山とある。また生石灰は日本中何処でも取れる無尽蔵の資源である。これに藍藻を関与させることで還元作用によりクロロフィルとなり植物形成循環を獲得できる。各種農法が多数存在していることは承知しているつもりだが、どれだけ根幹的、救国的となっているであろうか。浅学の私には分からないが、地球規模で考え地域で行動する議論が必要である。一方他策がなければ、ダイオキシン被害、温暖化防止等の強い可能性まで秘めた起死回生に近い藍藻農法に期待し、日本から海外へも発信を―――と愚感、愚考している。
(2007年11月「選択」)


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

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我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

  • 主な収録項目

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