瀝青の鏡
詩になったアスファルト ~~瀝青の鏡~~
銀色の魚は瀝青(れきせい)の水中をよぎる
「アスファルトは安全である」と訴えるより「アスファルトを美しいと感じる人がいる」ことに注目したらどうだろう。
防水のプロの間では性能面で高く評価されたとしても、現場で200度近い高温が必要な「熱アスファルト防水工法」が、今の時代に相応しいかどうかという点では、マイナス点はいくつも列挙できる。その一つ一つに反論していくことがはたして、効果的なのだろうか?
そんなことを考えていたとき、瀝青・アスファルトという「モノ」や「言葉」の美しさにに対して好意を寄せる詩人や音楽家がいることに気づき、とても驚いた。
そういえば「窯の中のアスファルトが青緑にキラキラ光って、きれいなんだよ」と話してくれた老職人もいたではないか!
そうか。これは盲点だった。
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この波紋がもしも青い羽根だったら、船は空を飛ぶかもしれないね
ぼくなら、一枚だけ羽をひろってペン軸をつくるな
泛子(うき)がゆらぎ、瀝青の水中を銀色の魚がよぎった
(瀝青の鏡より)~~~~
「鉱石倶楽部」
「瀝青の鏡」は鉱石フェチの詩人、長野まゆみの「鉱石倶楽部」(文春文庫2005年667円)におさめられている。
アンコールシリーズ : この記事は読者のご要望により2010/04/13の記事を再編集したものです。
2011/02/21(月) 08:44:24| |