「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2011年 3月13日 号 (№38)

2011年 3月13日 号 (№38) 画像の説明

2011年 弥生やよい 平成23年、昭和86年、大正100年、明治144年

画像の説明画像の説明

ウレタン防水材出荷量5万トンに迫る勢い

画像の説明

2010年のウレタン防水材料出荷量は4万9,600トン。
3年連続好調な伸び示す。
日本ウレタン建材工業会(略称NUK)は、この程2010年1-12月期の「ウレタン建築土木材料出荷量」を発表した。
防止材料は前年比111.3%と、ここ3年間順調な伸びを見せている。
>>グラフを見る

トンネル漏水問題を考えるシンポジウム

ピングラウト協議会の25回定時総会

トンネル漏水止水対策でマニュアル作成
ピングラウト協議会25周年総会で開催されたシンポジウム。活発な質疑応答が続いた。
2月25日、東京・霞が関ビルの東海大学校友会館で、ピングラウト協議会の25回定時総会が開催され柿崎隆志会長(オフィス トゥー・ワン)が再選された。同会は清水建設が特許を持つ、親水性発泡ウレタン樹脂によるコンクリートひび割れ補修工法の施工団体。>>全文を読む

「小柴昌俊科学教育賞」と「子どもしぜん科学大賞」のとても深い関係について

「第7回子どもしぜん科学大賞」報告書 間もなく発行します

いもりの不思議な力

子どもたちの理科離れ、自然離れを何とかしようという思いで始めたのが「子どもたちと夢を創る会」。そして東京都夢の島熱帯植物館の協力を得て2004年から開始した「子どもしぜん科学大賞」も今回で7回目となります。今年も力作が集まり、夢の島熱帯植物館の会議室で、発表会を行いました。イモリやドジョウや気象に関するユニークな研究です。>>全文を読む


絵日記

夜の国会議事堂
夜の国会議事堂

アスファルト
アスファルトコンパウンドの断面

画像の説明画像の説明

新着ニュース

2011/03/08 琵琶湖水路閣改修調査検討委員会石田委員長のお気に入りnew
2011/03/04 ルーフネットの重点項目「躯体保護と防水」とはnew
2011/03/02 なぜ防水メーカーがソーラーシステムを販売するか?
2011/03/01 ウレタン防水材出荷量5万トンに迫る勢い
2011/02/28 クリーン作戦で日本橋はピカピカ。ところでひび割れ対策は?
2011/02/26 トンネル漏水問題を考えるシンポジウム
2011/02/25 「小柴昌俊科学教育賞」と「子どもしぜん科学大賞」のとても深い関係について
2011/02/25 屋上緑化で平成の平賀源内に学びます
2011/02/20 詩になったアスファルト ~~瀝青の鏡~~
2011/02/19 コルビジェとノアの方舟と防水
2011/02/17 「水コンペ」の受賞作品をじっくり見て、来年は100万円獲得を目指せ!
2011/02/17 私たちが作りました。ドライバー40の物語。
2011/02/16 「日本アスファルト物語」後書き、年表、奥付け
2011/02/14 「日本アスファルト物語」の前書きと目次
2011/02/13 火災の消火で漏水どころか天井まで落ちてきた・続
2011/02/12 南禅寺を貫く琵琶湖疏水水路閣のひび割れからの漏水によるつらら
2011/02/10 火災の消火で漏水どころか天井まで落ちてきた
2011/02/10 大正3年刊「日本石油史」で初見? 小堀鞆音の燃土燃水献上図
2011/02/09 「塚田秀鏡」はなぜ「燃土燃水献上図」を彫金作品に写したのだろう
2011/02/03 節分の夜
2011/02/03 リフォーム工事受注最新統計
2011/02/03 「燃ゆる土とは天然アスファルト」と明記
2011/02/02 花街で文化・しきたりの動態保存
2011/02/01 水路閣のひび割れに ツララ
2011/01/31 琵琶湖疎水 水路閣漏氷?
2011/0130 KRK合成高分子ルーフィング工業会 新年会
2011/01/26 聖書協会がノアの方舟の模型を販売
2011/01/25 全アロン防水組合関東支部 新年講演会、賀詞交歓会
2011/01/24 伏見雅光さんのカレンダー
2011/01/22 我が国の文献における瀝青・アスファルトの初見は日本書紀
2011/01/19 近江神宮「志賀」が語る「燃水祭」
2011/01/19 21世紀に入って二番目の10年の始まり

 :
以前の更新情報はこちらをクリック!


ルーフネットの重点項目「躯体保護と防水」とは 

「防水も志を高く」

若王子神社宝形

琵琶湖疏水が東山をくぐり、若王子(にゃこうじ)で顔を出すと、そこからが銀閣に至る哲学の道。これは若王子神社の境内におかれた、地仏堂の方形(ほうぎょう)。地仏堂にはかつて薬師如来座像が安置されていたが、明治4年、神仏分離の際、この地から移されたあと、現在は国宝として奈良国立博物館に所蔵されている。
(この写真は記事とは関係ありません。写真撮影:ルーフネット編集長・森田喜晴)

※※※

田中享二 先生の言葉によると

私は、北海道大学を昭和44年に卒業して、修士に進学しました。学部のときからですから42年間、防水の研究をずっと続けており、現在に至っています。

東京工業大学建築物理研究センター 田中享二 教授は日本の建築材料研究の第一人者で、1996年に「高分子系防水材の耐久性」で日本建築学会論文賞を受賞しています。10年以上前から、先生はこう言っていました.

コンクリートというものは水を通すものです。しかもひび割れのないコンクリートを作る事は現実的にはとても難しい。そのひび割れから水が入ってくると、中の鉄筋に悪さをする。もし水が入らなかったら、鉄筋コンクリートの建物はとても丈夫で、100年以上平気で持ちます。だから防水の役割は単に雨漏りを防ぐだけでなく、躯体を護り、建物を長く維持してゆくと言う、とても大事な役割を担っているのです。

ルーフネットでは、前身となるブログ「防水屋台村を創ろう」を立ち上げた2006年、最も大事なコーナーとして田中先生の「躯体保護と防水」を位置付けました。「防水も志を高く」と言う先生の言葉に共感したからです。そして「躯体保護と防水コーナー」の趣旨として、編集長はこう書いています。

なぜ水を通すのか、なぜひび割れが入るのか、どの位のひび割れでどれくらい水が入るのか?防水の役割は何か?コンクリートと鉄筋の性質を知って、防水工事に何が求められているかを考えます。

さて最近、世の中では「躯体保護」より「サステナブル」という言葉の方の方がよく目に着きます。講演会やセミナーの場で田中先生は、工事に携わる人達か、メーカーの営業なのか、技術者なのか、研究者か。聞く人に応じて、実に分かりやすく、防水の果たすべき役割を語ります。

例えば、職人さんたちの多い講演会では、こんな感じでした。

コンクリートは丈夫な建築材であるが、宿命的にひび割れる。このほかジャンカ、打継、コールドジョイントなど施工過程で弱い部分が生じ、ここからコンクリートの劣化が始まる。 誇り高いコンクリート技術者は「コンクリートの表面を保護する」と言うと、快く思わない。われわれの仕事をそんな彼らにどう説明すればよいか。今日はその方法をお知らせします。

講義は、木、鉄、コンクリートはそれぞれ空気中・土中でどんな具合に劣化してゆくのか、ひび割れはなぜコンクリートの耐久性に大きく作用するのか、など極めて分かりやすい写真や図を示しながら進みました。これなら現場作業者が自信を持って自分の仕事の内容を、コンクリート屋さんや、マンションの管理組合の人たちに語れますね。

このコーナー・ルーフネットの「躯体保護と防水」はそんな田中先生の講演の中から、ぜひ聞いて欲しい話を紹介します。

今回は、田中享二東京工業大学教授が2010年8月27日、品川プリンスホテルで行われた全国アロンコート・アロンウォール防水工事業協同組合総会で行った特別講演「超サステナブル建築と防水」の記録です。5回に分けてご紹介いたします。

超サステナブル建築と防水 ①

百年・二百年建築、千年建築の「防水」をどうする?
~Dr.田中享ニの「躯体保護と防水」セミナー~

画像の説明
「超サステナブル建築と防水」

サステナブルとは詰る所「長寿命と省エネ」

画像の説明

超サステナブル建築とは

環境負荷をかけずに、数世紀に渡り使い続けられる建築のこと

「サステナブルな建築」で、「サステナブルな社会をつくる」とか、最近は「サステナブル」と云えば、何でもかんでも免罪符になるような風潮があります。本当にサステナブルというのは論理的に成立するのか、個人的には疑問のないわけではありませんが、言葉の定義で、あまりごちゃごちゃ言っても始まりませんので、一 応「サステナブル」といたしました。
 今日の話は、サステナブルですが、これをもう1ランク上げるようなことを考えたらどうかということで、おこがましいのですが「超サステナブル建築」という概念を作りあげたわけです。
“環境に負荷をかけない”、もう1つは“数世紀にわたり使い続ける建築は何なのか”ということです。このことを考えたいというのが今日の主題です。

昔の建物はサステナブルであった。

画像の説明
山形・田麦俣(たむぎまた)

「サステナブル」と現代の我々は偉そうに言うわけですが、よく考えてみたら、昔の建物は皆サステナブルです。
 これは、自分の持っている写真の中で気に入っているものの1枚です。今から20年前になりますか、茅葺屋根の研究に熱中していた時期があり、いつも梅雨の頃になると、日本全国を旅して写した時のものです。
  これは山形県の鶴岡市田麦俣(たむぎまた)の養蚕農家です。作られたのは明治初期で、100年程経っています。屋根は茅で、構造は木造、壁は土、窓は障子ですから、環境にやさしい材料だけで構成されています。100年経っても、まだ頑としていますので、200年や300年位はこのまま行きそうです。そういう意味では、「昔の建物はサステナブルだ」ということになります。
 「だったら、その昔に戻ればいい」という考え方もあると思います。いまの生活スタイルはやはり異常で、私も少し戻したほうがいいかなと思いますが、それはどこまで戻すかが問題で、明治初期までは戻すわけにはいかない。
 そういう意味で、戻すという考え方もありますが、そうすると経済が成り立っていかないとか、いろいろなことがありますので、新しい形のサステナブル化を模索するのが、いまの我々に課せられた課題だと思います。

今、建築は再度サステナブル化を目指さなければならない。

 もともと日本にもサステナブル建築はたくさんあるけれども、現代の「サステナブル建築」、つまり、昔と違った形のサステナブル建築を考えていかなければならないということであります。
 地球問題は明らかに切迫しております。

地球環境問題は切迫している。

地球温暖化
IPCC 第4次報告書 :人類が誘発した気候変動が進行中

京都議定書を日本はクリアできるか。

温室効果ガスの排出量を90年度より6%減らす。

12.61億トン(1990年)→ 11.86億トン
しかし2008年度12.86億トン 1.9%増。

世界中の気象関係者が集まる会議から報告書が出されていますが、「今の気候変動は、人類の活動が原因である」と断定しているわけです。
 それで、京都議定書で温室ガスを減らそう、1990年代レベルまで戻そう、ということをやっていますが、現実は増える一方です。それで現在、政府は「CO2排出量の25%削減」を目標に作業を進めています。
 こういう話は、総論賛成、各論反対の典型ですが、今年の夏なんかを経験しますと、地球環境問題は避けて通れない大事な問題かと改めて思います。
 環境の問題は、世界の人がみんなで解決を図っていかなければならない問題です。これに建築側から寄与するには、次の2つの方法があると思います。
  ひとつは建物の長寿命化を図ること、もう1つは省エネ建築をつくることです。建物を造るのに種々の建築材料を用いて建物し、それを建物所有者が使い始めま す。その時要する冷房、暖房や照明という建物の運転をする費用も加え、さらに最後に壊す費用も加えた総計がライフサイクルコストと呼ばれます。この全ライフのコストをミニマムにすることです。最近はライフサイクルCO2等で評価することも盛んに行われています。
 私も大学院で建設材料耐久物性というのを教えており、ライフサイクルアナリシスの話をします。建物全ライフのどこにお金が一番かかっているかというと、私の学生時代の建物では、材料をつくるところでした。意外と建築現場ではそんなにエネルギーを使っていません。今の建物は、40~50%が、建物の運用、照明、空調、エレベーターなどにかかっています。昔は長寿命化だけでよかったわけですが、今は省エネにすることも大事というわけです。
 そういうことで、大きいものを2つ挙げるとすると、「長寿命化」と「省エネ」ということになります。

建築の側からの環境対策
建物の長寿命化 → 超サステナブル建築
省エネ

続く

2011/03/04(金) 21:02:08|躯体保護と混凝土|


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

画像の説明

我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

  • 主な収録項目

本サイトの内容の無断転載、および無断利用を禁じます。

powered by Quick Homepage Maker 4.8
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional