「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2013年4月18日 号(№142)

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2013年 弥生やよい 平成25年、昭和88年、大正102年、明治146年

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防水下地のコンクリート水分は何で8%以下なの?

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14年間独り歩きした「下地水分8%以下」
建築技術4月号「何でなのシリーズ」で湯浅昇教授が解き明かす
防水工事においては、下地コンクリートの含水率管理が重要である。>>つづきを読む

社会インフラメンテ元年

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老朽化対策の本格的な取り組み開始
太田大臣が記者会見の質疑応答で
歌舞伎座柿落し(こけらおとし)の4月2日、国土交通大臣は社会インフラメンテナンス元年としての本格的な老朽化対策推進を語った。>>つづきを読む

中央公論4月号が特集 「コンクリート列島非常事態宣言」

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巻頭対談は「笹子トンネル事故は悪夢のはじまり」
東京オリンピックの突貫工事から50年、地区50年を超えるトンネルや橋梁は急増している。中央公論の4月号が、40ページの上記特集。>>つづきを読む

絵日記

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ミイラとアスファルトアスファルトの歴史余話

ミイラの表面の黒い物質は本当にアスファルトなのか

BS-hミイラ
東京国立博物館自慢のミイラ

>>2013/01/22 東京国立博物館所蔵ミイラの柩の黒はアスファルト?を読む

……正倉院の御物(ぎょぶつ)が1300年もの間良い状態で残っているのは、校倉造りの建物のおかげなのだ。高床式で、かつ校倉構造のため、湿度が上がると校木が膨らんで隙間が閉じて、湿った空気が中に入るのを防ぐ。乾燥すると気が縮んで隙間が開き、乾いた空気が通る。……

半世紀少々前の小学校時代、記者は確かに先生からそう教わった。
すごいなあ、さすが正倉院、ボクも自分もそんな家にすみたいなあ、と思ったものだ。

ところが、この説は怪しいらしい。それを知ったのは半年前だ。正倉院改修工事の現場見学に初めて行った際、現地でそう説明を受け、瓦の重みで、屋根はたわみ、屋根の重さで校がへしゃげ、開閉など不可能。保存に役立ったのは、」密閉性の良い唐櫃(からびつ)に入っておいたから、かなりショックを受けた。「あれは嘘だったのか」というと大げさだが、教えられて完全に信じ込んでいたものが、ずいぶん時間が経ってから「そうじゃないよ」と当たり前のような顔をして言われても、何かだまされたような気がしたのです。

ちょっと長くなりましたが、「ミイラを保存するためにアスファルトが塗られていた」という表現は、今でもあちこちで見られます。石油の歴史に関する本や解説にはしばしば登場します。ところが、現在この説は否定されています。

校倉の調湿システムが実は機能していなかった、という話を聞いたとき、「ミイラのアスファルト」に似ているな、と感じました。今回の読み物は、ミイラの保存にアスファルトをホントに使ったのか、という話です。久しぶりに中島路可(ルカ)先生の登場です。

「アスファルトでミイラを保存したという誤解」とアンジュ=ピエール・ルカの見解

路可先生お勧めのルカのミイラ本
路可先生お勧めのルカのミイラ本

「エジプトでは死体の保存のためにアスファルトが塗られた」、という表現は日本アスファルト協会やアスファルトルーフィング工業会のホームページ内のアスファルトの歴史に関する解説の中に書かれている(2013年4月3日現在)。アスファルトを代表する2つの団体ですらそうだから、他は推して知るべしである。

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中島路可先生。2012年撮影。
古書店めぐりに欠かせない右後ろの赤茶のリュックは、いつも手放さない。

>>なかじまるか先生のプロフィールを読む

聖書の中にあらわれるアスファルトに関して、中島先生には昨年多くのことを教えていただいた。
>>ルカ先生に聞いた「聖書とアスファルト」の話」を読む

いったい、ミイラを作るとき本当にアスファルトが使われたのか?中島先生にそれをたずねたとき、これを読みなさいと、貸していただいたのが、偶然、先生と同名のアンジュ=ピエール・ルカ著「ミイラ考古学入門」だった。

翻訳者の羽林秦氏によると、アンジュ=ピエール・ルカは1924年パリ生まれの、リウマチ学を専門とするフランスの医者。1971年に刊行した「ファラオ時代のエジプト医学」によって有名になった。同書は古代エジプトの「ミイラ学入門」というべき、ミイラに関するあらゆる情報を網羅したもので、ミイラ製作技術を詳細に解説している。解剖、顕微鏡検査、X線、化学分析その他の現代科学的技法を応用して古代史の「臨床報告」を行っている点が、他に類を見ないユニークな著作である、と解説している。
発刊された1976年当時の「現代科学的技法」の分析能力を今日の能力を基準に評価することはできない。しかし著者が、「古代エジプト人のミイラに対して、彼らが死者に払った並々ならぬ配慮にふさわしい、深い愛情を抱いて(同訳者談)」当時の最新技術を駆使して分析を行ったことが重要だ。

アスファルトとミイラの関する著者の見解は同書の前書きに集約されているので、関係部分を紹介する。

  • アカデミー・フランセーズの古い辞典を繙くと、ミイラについて次のような定義が見られる。「古代エジプト人によって防腐保存された死体。転じて、アラビアやエジプトの砂漠地帯で流砂の下に埋められた死体が風に洗われて露出し、さらに太陽の熱で乾燥したもの。また、ミイラに塗る瀝青(天然アスファルト)から採った褐色の色素のこと」。この定義は、起源は詳らかでないが、ある誤解に基づくものである。
  • ミイラという用語はどのエジプト文書にも登場しないし、現代コプト語の語彙にも含まれていない。ビザンチン・ギリシャ語やラテン語の「ミイラ」という言葉は、実は瀝青を意味するペルシャ語「ムミア」から派生したものであり、これが転じて瀝青を塗った(ように見える表面が黒い?) 死体を指すようになったのである。古代エジプト人が瀝青を用いて死体を保存していたという説は広く信じられていた。
  • 以来、ミイラの表面が黒っぽいことにあっさりだまされて、エジプト人はこういう方法で死者を処理したのだという、古代に関する誤った見解が世代から世代と伝えられたのである。実際にはギリシア・ローマ時代においてさえ、この処理法が用いられるのはごく稀であった。(ゼロではないということか?)

※カッコ内赤字はルーフネット記

2013/04/10(水)23:17:33|考古・地学|


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

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