「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2011年 8月29日 号(№61)

2011年 8月29日 号(№61) 新月

2011年 葉月はづき 平成23年、昭和86年、大正100年、明治144年

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桂離宮の雨仕舞

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雨樋-1
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水路閣委員会終了 報告書

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水路閣改修調査検討委員会 3回の委員会終え報告書作成へ
京都市上下水道局は、国の史跡に指定されている水路橋「水路閣」の西側橋脚の一部に生じたひび割れの発生原因及び修復の方法を調査・検討するため、学識経験者で構成する「水路閣改修調査検討委員会」を平成22年1月に設置し、これまで3回開催して議論を進めてきた。最終的には、調査によって得られた知見を基に、議論の内容を踏まえ、今後の対応策を報告書にとりまとめる。>>全文を読む

《建築紛争フォーラム》 戸建住宅の地下室をめぐるトラブル

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日本建築学会の紛争フォーラム 9月2日開催
戸建住宅の地下室に関わるトラブルテーマに
2011年度建築紛争フォーラム「戸建住宅を巡る建築紛争」
-紛争解決に向けて、さらに予防へ-
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もう一度 聞いてほしい この話

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聞いてほしいのは 田中享ニ 東工大名誉教授 のこの話です
『日本の建築防水材料・技術のレベルは世界のトップレベルにあります。何しろ先進国の中で、これほど降雨条件の厳しいところは少ないし、職人は器用だし、客もうるさいですからね。かつて20~30年前まではアメリカや欧州への防水視察旅行が盛んに行われていました。「もう学ぶものは無い」というのが大方のがここ10年来の認識でした。でもそれは防水を提供する側からだけの見方だったのでは無いでしょうか?世界最高レベルの材料と世界最高の施工技術がわが国に存在することは間違い無いでしょう。でも実際に行われた工事の結果は世界最高でしょうか?…』>>続きを読む

絵日記

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2011/07/22 マンションを長持ちさせる85歳の設計者
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2011/07/16 東京話題の建物ツアー
2011/07/13 防水の起源を現した歴史画「小堀鞆音・燃土燃水献上図」再発見!
2011/07/12 8月23日建築学会大会「防水関連」発表スケジュール
2011/07/11 燃える土・水献上
2011/07/10 日本書紀を奉唱する石油と防水のお祭(燃水祭・日本書紀奉唱)
2011/07/09 燃水祭で初。防水関係者による玉串拝礼。
2011/07/07 行ってきま~す。近江神宮燃水祭
2011/07/06 夏休みは建築学会大会を楽しもう
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2011/07/01 黒川燃水祭に防水業界からも初参加-速報-
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あるコスモポリタンの憂国(『選択』連載28)

紺野大介 「選択」セレクション 最終回

紺野大介清華教授の『選択』セレクションは、今回で一段落です。紺野さんの雑誌「選択」への連載第1回目は、幕末の英傑・橋本左内で始まりました。ルーフネットへの転載最終回は、やはり左内で締めくくりたい。教育の場とは「生徒の心に火を点ける」所である。紺野さんは、小学生への特別授業を行った際、橋本左内言行録を元に、子ども達に左内の少年期の振る舞いや左内15歳時の著作「啓発録」の要点を伝えました。
ルーフネット編集長と紺野さんとの出会いは本サイト、トップページメニュー「紺野大介の音楽随想」第1回目に書きました。エンジニアにして創業支援推進機構理事長の紺野さんが四半世紀前に書いた音楽随想が、今読み返しても新鮮である理由は、この『選択』の連載記事が古くならない訳と同じです。戦争や大地震の前後でも価値が変わらないものは変わりません。
紺野さんの書いたものは単なる技術的知見、経験の切り売りではなく、その行動の原動力となった「志」。橋本佐内の「啓発録」を、続いて吉田松陰の「留魂録」を英訳し、世界に発信し、海外で講演するのは、世界が驚嘆したかつての日本人の人格と心を、現代の日本人に伝えるためだと思います。

ですから、そのレベルは足元にも及ばないものの、「志」を次世代に伝えることを目的とするルーフネットは、雑誌「選択」編集部に紺野さんの記事の転載をお願いしました。
記事の中から、ルーフネット読者に是非読んで欲しい記事を選び転載してきました。

もう一度
紺野大介(こんのだいすけ)氏略歴
1945年(昭和20年)2月20日満州奉天市生まれ。65歳。東京大学大学院工学系研究科修了、工学博士。1994年以来中国北京の清華大学に教授とし て招聘され現在に至る。同国立トライボロジー研究所終身教授。特定非営利活動法人創業支援推進機構理事長。日中科学技術交流協会常務理事。2000年まで セイコー電子工業(株)取締役事業開発本部長を務め、関連会社、関連子会社の会社管掌役員等兼任で歴任。この間、通産省工技院マンガン大プロジェクト作業 部会長、日本工業規格改定委員会日本機械学会代表、(財)新世代研究所評議員など歴任。'00年7月に創業支援推進機構をNPO法人として立ち上げ(略称 ETT)理事長に就任。

【専門分野】流体力学、流体工学、流体機械、流体精密機械、トライボロジー。

【最近の研究】狭義には、民間力による日本の国際競争力の蘇生。広義には、日本人の民度改革の推進。

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紺野さんのもう一つの顔
幕末の英傑、橋本左内15歳の著作「啓発録」(写真左)、同じく吉田松陰、処刑前夜の著作「留魂録」(写真右)を英完訳し世界に紹介。

熱海・多賀小学校の光風とシグマ線図

清華大学招聘教授 紺野 大介

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「橋本左内を知っていますか?」。熱海の市立多賀小学校だよりA3判「橙の里」にこのタイトルがプリントされ、ポスターとなって町に貼られたのは昨年暮だそうである。農地を子供達に開放している酵素風呂の妙楽湯店主・山本進氏。水稲(水田で栽培する稲)、陸稲(畑で栽培される稲)など田植えや刈取りで農業を体験させつつ、自身は禅僧・村上光照老師に感得を受け、和尚の四国高松行脚時に知己となった篤志家・満岡重一氏の情報から「やさしい啓発録」の資料を取り寄せ、農作業に子供達を引率してきた小学校教諭に手渡したのが事の発端。
 幕末の英傑・橋本左内については連載1「日本人の民度革命」で既述した。この左内十五歳時の著作「啓発録」の“稚心を去る”“気を振う”“志を立てる” “学に勉とむ”“交友を択ぶ”を山田学年主任が読み聞かせ、子供達も諳んじているとのこと。気を読み取った店主は母校、多賀小学校・西島幹人校長と掛け合い、その結果、初体験であるが小学生むけ講義の運びとなったのである。折しも橋本左内没後百五十年。小学五年、六年生計二百名に校長以下約四十名の教職員他が参加された。
 今の十一、二歳の子供達がどんな価値観で何を考えているのか?――導入の方法を模索した。左内は昨年のNHK大河ドラマ「篤姫」と全く同時代。見るに堪 えるテレビは少ない。海外も多く不連続だったけれど、子供達に聞いた。「昨年の大河ドラマ“篤姫”を見た人、手を挙げて?」。二百名の子供達で手を挙げた のは僅かに八名。テレビ視聴率の不確かさは有名であるけれど、この挙手数にも驚いたものである。

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 教育場とは「生徒の心に火を点ける」所である。如何に個々の子供達に適した火を点けられるか?――昭和七年発刊の橋本左内言行録を中心に左内の少年期の 振る舞いや「啓発録」の要点に触れた。「啓発録」はつまるところ“人格のあるべき姿”を世界に例のない弱冠十五歳でほぼ完璧に述べた著作といえよう。成績で人格が決まる訳はなく、人格で人間が決まるのである。これを嚙み砕き「人間としてのぶ厚さ、深さ、弾力さ、品性など」の人格の高さ、大きさを要約した Σ[シグマ]線図(左頁)について説明した。十年程前から企業幹部研修会や大学で話し、簡明で印象的との声が多いため試行したのである。
 私的な概念であるが、人格は「天性」、「知性」、「技能」、「習性」の四線分で囲まれた面積で表現できるであろう。第一に重要なのは人間の本質たる天性。心の明るさ、情操、人を人として愛する等の徳性・徳義たる「天性」は実は他力、自我が目覚める三歳位までに特に母親から授かることが、米国ミシガン大 学など幼児心理学の研究で明らかとなっている。天性のみ自力に依存しないのである。良い母親に恵まれた子供の天性は横軸に伸びる(図①)。赤子に母乳を与える際、全身で慈しみ乳を与え、満腹し浅眠から熟睡に到る過程で子守唄や絵本を読んで聞かす母親は多い。しかし母乳を与えつつも芸能テレビを見ている母親もいる。胸の形が悪くなるとし哺乳瓶を銜えさせる母親、車に放置しパチンコに興ずる母親もいる。こうした母親の姿に依存し「天性」は変化する。DNAに無関係に、食事も満足に与えない母親から心の明るさ、清らかさなど備わる筈はなく、極端な場合「天性」が負となり、シグマ面積で合計がマイナス(図②)になれ ば、所謂、人格欠損となる。
 次の「知性」は頭脳的な判断力や思考力。これがあるから人間は動物より抜きん出ている。しかし少々未発達でも人間の本質たる人格にはそれほど影響しない。何処の大学を出たからといってそれ程問題でない。「技能」も同様。サッカーが上手い、ピアノが上手、英会話が流暢――といった「技能」は無いより有っ た方が良い。しかしDNA依存性があるといわれる「知性」や「技能」は、Σの線分の高さ方向にある角度(θ)を以って関与し、「天性」、「習性」ほどには 人格に効かない。一例だがスポーツ選手で時々間違いを起こす人がいる。先日もオリンピックで金メダルを多数取得した米国水泳選手が大麻を吸い問題を起こし た。「技能」は金メダル。Σの技能線は著しく長いけれど、脳ミソまで筋肉となったような人格は(図③)の如くなるであろう。無論「習性」でリカバリーでき る。

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 以上より自力で人格を高めるには「習性」が最も大事である。習性とは毎日の習慣で作られていく感性や行動様式であり、人格を大きく決定づける。少し乱暴 な例を挙げてみる。「啓発録」の“去稚心”ではないが、子供ならいざ知らず、大人になっても通勤電車等で毎日漫画を見ている人、毎日が週刊誌の人、毎日が総合・経済新聞の人、毎日が英字新聞の人、毎日が密度濃い書物を読まないと日々充実・律動しない人もいる。漫画を読んで無論悪い訳でない。しかし毎日が漫画レベルで事足りる生活だろう。「啓発録」の“立志”とは程遠い日々となる。ニュートンも朱鎔基も幼少期に母と離別・死別しているので「天性」が幾分短い ようであるが、持ち前の「知性」の上に「習性」を日々蓄積し偉人となったのであろう(図④)。「人格」のように本当に大事なものは目に見えない――といっ た内容を咀嚼したつもりでいる。限界五十分が八十分。子供達は集中して聞いてくれたようであった。

 質問があった。「橋本左内ほどの偉人でなくても立派な大人がいるのにイラクなど何故戦争が起きるのですか?」。大人の世界の不条理を突いた炯眼な生徒。 鋭い問いで答に窮しつつ三種類の“真面目さ”に触れた。世の中には「生まじめ」「非まじめ」「不まじめ」の三種類の人間がいる。道路交差点の例で話し、赤 は止まり青で渡るルール。「生まじめ」とは夜など車がなくても赤で渡らない人。「不まじめ」とは交通が激しいのに信号を無視し渡る人。しかし「非まじめ」とは交通規則は基本的に順守する。それでも夜中など車がなければ赤でも渡る。何故なら車がある前提でルールや信号があるのだ。ただしそこに低学年の子を連 れた親が信号の意味を教えている場合、譬え車がなくても赤では渡らない。これが盲導犬やロボットではマネのできない人間が五感で自在に考える高い次元の 「非まじめ」の概念。戦争は「生まじめ」同士や「不まじめ」がぶつかり合うから。「非まじめ」な人が地球上で多くなれば戦争は起きなくなるでしょう―― と。「非まじめ」度も結局「人格」の“面積”に比例するのであろう。言葉が通じたか?不安があった。しかし優れた生徒は得心したようであり、太陽のように 輝く子供達の瞳を見ながら大きな元気を戴いたものである。

2009.05 選択


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

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我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

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