「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2011年 5月3日 号(№45)

2011年 5月3日 号(№45) 新月

2011年 皐月さつき 平成23年、昭和86年、大正100年、明治144年

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建築工事51種の労務単価 平成23年度版を発表

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防水15,491円。塗装16,177円
これは平成23年度 公共工事設計労務単価の全国平均。平成23年度からの公共工事の積算に用いられる。全51種の平均単価は16,432円で、前年度比99.7%。ピークの平成9年度比では70%。防水工の県別単価では、最高が東京の18,100円、最低が岩手・秋田県の12,400円。>>全文を読む

シート防水出荷目標は100万平米

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シート防水一体型太陽電池の発売は10月。
菱興プラスチックが製造する塩ビシート防水の責任施工団体であるダイヤフォルテ防水工業会は、4月22日、東京九段下のホテルグランドパレスで、第15回通常総会を開催した。>>全文を読む

写真ニュース

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最終講義と「享の宴」に300人詰めかける。
田中享二教授最終講義と「享の宴」写真集。
東京工業大学すずかけホールで最終講義。
建築材料研究中でも防水研究の第一人者・東京工大・田中享二先生が北海道大学を卒業したのは昭和44年。修士進学の前から防水研究を続けていたからこれまで43年間防水研究を続けてきたことになる。学界、業界への貢献の大きさ、その人柄を慕う関係者の数は計り知れない。>>写真を見る

絵日記

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第2回座談会 北海道と東京を結ぶ技術屋の心意気 

日本防水総業の齊藤保 2代目奥山「菊五郎」を襲名?
2011年4月21日 東京都千代田区内幸町で第二回座談会を開きました。
このテーマの座談会を行ったのが昨年2010年6月。その一部をまとめて掲載した時のタイトルが「我が師は奥山菊五郎」。

齊藤保

思い出すために、少し昨年の記事を一部紹介してみましょう。

 斎藤保(たもつ)75歳(写真上)。北海道の名門にして最大手防水工事店・日本防水総業株式会社取締役工事担当。昭和25年「給仕」として入社。防水工事現場に魅力を感じ、すぐに現場担当へ移動を願い出る。爾来、現場一筋。かつてスーパーゼネコンの所長その前でが震え上がり「天皇」とも称された三菱地所の星野氏も、防水工事関しては斎藤に絶対の信頼を寄せる。60歳を過ぎても指名が掛かり、「私はもう歳で、現場作業はできません」といっても「いや、とにかく『居るだけ』でいいから」と譲らなかった。

 斎藤さんは今も毎日出社し、作業員から現場の様子を聞く。「会社に何かあったとき、斎藤は体を張って会社を守ろうとするだろう。あれはそういう男」(日本防水総業片山社長)。多くの人が、「何が大事か」を見失っている中、トップと技術屋のこの堅い信頼関係は眩しい。職人の誇り、技術屋のプライドとそれをしっかり受け止めるトップの志。ある時、片山英男社長と話していて「今生き残る会社が持っているもの、建築業界、大きく言えば日本を救うのは、そんな信頼関係ではないか」と意見が一致した。「斎藤さんに是非会いたい」と思った。

 さらに片山氏は「斎藤には師匠がいる」。それが、創業大正7年の奥山化工業、創業者の兄で技術屋の名物男「奥山菊五郎」だという。取材が決まって、斎藤さんに「奥山菊五郎さんとのことで…」と言いかけたとき、「あっ菊五郎先生ですか!」電話の向こうで居ずまいを正す気配を感じた。

 北海道と東京の名門防水工事店。技術一筋の奥山菊五郎と斎藤保。なぜ斎藤氏は菊五郎を師と仰ぐのか? 奥山化工業と日本防水総業の浅からぬ因縁とは?

 先日、奥山岩男・片山英男 両社長と菊五郎をよく知る奥山化工業 古屋 隆司 前常務、渡邊完司 常務を交えて懇談した。

これが序文でした。

昨年の第1回座談会の結果は数回にわたって紹介しましたが、吉田享二さんのこと、菊五郎さんのこと、現場のこと、その他聴き足りなかった事は山ほどありました。それをお聞きするのが、第2回目座談会、今日の目的。

2011.4.21 東京・内幸町にて
2011.4.21 東京・内幸町にて

ついでにこちらの方も、おさらいしておきましょう。

60年前、日本建築学会会長にして、関東支部初代支部長の吉田享二 早稲田大学教授は、なぜこれほど防水を重視したのか。

吉田享二先生談

「防水工事は如何なる建築に於いても最も重要視すべきである。而して材料と構造と相俟って完成し得るものである。自己取扱いの材料が建築の一部となって永く其の目的を達する迄、材料製造者及施工者は責任を持つ覚悟をして貰いたい。其為めには熟練者を採用して自己の監督できる法をとって社会を満足せしめてほしいと思う。材料と施工との分かち得ない責任のあるのは防水工事の如きものである。熟練せる監督と現場従業員の必要は無論として、材料選定に関しては次の如きものは実施に際して先ず注意すべき事であろう」として10の注意事項をあげている。(以下、略)

※※※

吉田享二氏は明治20年(1887)に兵庫県但馬生まれ。明治45年(1912)東京帝国大学工学部建築学科卒業。同時に早稲田大学建築学科講師。助教授を経て大正 5年(1916)教授。専門は「建築材料学」であったが、大正14年(1925)から「都市計画」の講義を担当するようになる。東大や京大などに先駆け、大正11年から早稲田では「都市計画」の講義が開設された。当初、内務省官僚の笠原敏郎が講義を担当していたが、翌年におこった関東大震災の後、笠原は復興局へ異動したため、吉田享二が受け継いだ。

建築家として代表的作品、「日本民藝館本館」(登録文化財/昭和11年[1936])、竣工東京工業試験所(1922)、小野田セメント本社(1917-26)、第一菅原ビル(1934)など。

吉田享二氏に関しては、鳥取環境大学浅川研究室のブログが詳しい。
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-962.html

そんな吉田は、防水は水を理解し、水を味方とし、敵としてはならぬ。と、機会あるごとに、主張していた。

古屋 隆司

菊五郎スピリッツを受け継いだ齊藤さんの話を縦糸に、菊五郎を知る奥山化工業の元常務、古屋さん(写真上)の豊富な経験と記憶を横糸に、そしてその織りなす綾を現在の業務にしっかり繋いでいる片山社長、渡邊常務が語ります。

菊五郎亡き後、今度は、奥山の社員や職人が、毎年冬にやってくる齊藤さん率いる日本防水の職人から多くのことを学んだ。

2回目の座談会を行ったこの日、再び齊藤さんの話を聞いて、76歳の現役防水マン斎藤保は、すっかり「菊五郎」になっていることを確信した。ほぼ1年ぶりの連載再開をお楽しみに。


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

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我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

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