PD 建築防水の改修工事における現状と将来
PD 建築防水の改修工事における現状と将来
初日の9月4日、9:15から防水改修でPD(速報)
2018年度日本建築学会大会(東北)が9月4日~6日、仙台市青葉区の東北大学川内北キャンパスを会場に開催された。
材料施工部門のパネルディスカッションでは、「建築防水の改修工事における現状と将来」が初日の9月4日、9:15から12:15までA200号教室で行われ、改修市場・改修仕様の現状、改修後の耐用年数の考え方、集合住宅での問題点あれこれ、不適切コンサル対策、驚きの現場…など、それぞれの分野で活躍する中心メンバーが、最新の状況を報告した。
改修を必要とする建築物が今後増加し、改修工事の重要性も一層高まっている。一方で多種多様な改修工事では、新築工事では考えられないトラブルの発生も報告されている。その要因は技術的な知識不足、発注者と施工者との理解・認識の相違のほか、さまざま。今年の建築学会の防水PDは、住宅と非住宅、屋根防水と壁面防水を対象とした改修工事の現状を分析し、課題(調査、設計、技術、人、契約、工事費、工期)を洗い出し、これら課題解決のための方策について意見交換を行うことを目的に開催された。
趣旨説明する日本建築学会材料施工委員会防水工事運営委員会山田人司主査。
司会:輿石直幸(早稲田大学)
副司会:岡本肇(竹中工務店)
記録:竹本喜昭(清水建設)
司会の輿石直幸(早稲田大学)氏。
主題解説
- 防水改修工事の体系:古賀純子(芝浦工業大学)
- 総合的に優れた改修提案・設計のために:田中昭光(ジャトル)
- 屋根防水改修工事の現状と課題:田憲章(三星産業)
- シーリング防水改修工事の現状と課題:野口修(マサル)
- 最新の材料・施工技術 松原道彦(竹中工務店)
主題解説では、防水改修工事の基準類や防水材の劣化発生と耐久性確保について総プロの成果、また設計段階における課題や長期修繕計画と大規模修繕工事瑕疵保険や設計とコンサルタントのあり方、改修工事に関しては屋根防水改修工事とシーリング防水改修工事のそれぞれについて、工事の問題点と今後の取組を、さらに防水改修工事における最新の材料と施工技術について解説。
会場の様子
「まとめ」を述べる東京工業大学田中享二名誉教授。
まとめ
会場からの過激な意見を密かに期待していたが、物足りなかった。しかし考えてみると「改修」という言葉は、よく使うが、実はよくわかっていないところが多い。故にどう切り込むか難しかったのかもしれない。
まず新築と改修の違い。防水はここ数十年間、新築を中心に突っ走ってきた。しかし新築と改修では全く違う、特に技術の面から見える風景はかなり違う。この違いをまず認識うべき、というのが今日のPDでの一番大きな指摘である。理由は2つ。①改修は人がいるところで行う、新築は誰もいないところで作る。②既存の防水層が下地として存在する。これが新築時にJAS(に従ってちゃんとしたものが作られているならいいのだが、かなりの部分の物はちゃんと作られていない。つまり劣悪な下地に対して防水改修が要求される。にもかかわらず人並みの耐久性が要求される。たいへんな苦痛の中で作業が進められている。つまりバックとなる風景が全然違う。この認識は重要である。
今日、この風景が、たくさんあることが示された。あんな場合、こんな場合、多種多様だ。今後、データを急いで蓄積、整理、ディスカッションが必要。
改修は新築より、はるかに高度な仕事である。一流の施工店が降参する場面が現実には多々ある。学会として事例を基に整理が必要。
今日話題にならなかったが、防水コンサルの制度について。欧米では強力なライセンスの元に実施されている。日本で防水コンサルの必要性を発言すると、日本ではゼネコンがあるから必要ない、となる。しかし改修となると、プロフェッショナルでなければ対応できない。悪徳コンサルが跋扈する背景もここにある。だから防水のプロが必要。防水コンサルは防水の知識とコンサルとしての倫理性を問う試験の2本立てになっている。我々も一般の人にもこのことを知らねばならない。啓蒙が必要。
建物全体、全ライフを考慮した上での防水設計が必要。18年周期の提案もあった。新築時に18年経ったときどうするか、そのことを宣言しておく、予め手を打っておかねばならない。防水だけでなできないこともある。近辺の分野との連携が必要。
今回はディスカッションとしては焦点が絞られていたが、我々が見たことのない風景が大方ので、討論がしにくかったようなきがする。
2018/09/07(金) 14:29:55|ニュース|