「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2013年3月12日 号(№137)

2013年3月12日 号(№137) 新月

2013年 弥生やよい 平成25年、昭和88年、大正102年、明治146年

画像の説明画像の説明

蓄熱槽断熱防水工事技術指針(案)講習会

画像の説明

12年ぶり見直しで新指針案の解説
都市部の節電要請強く、蓄熱槽の需要は増加している
蓄熱槽断熱防水施工技術指針案の趣旨説明を行う堀長生主査。会場の様子はネット中継された。>>つづきを読む

表面被覆材でコンクリートを守る。

画像の説明

25年間の日英共同研究成果を紹介
コンクリの世界的権威R.N.スワミー博士との共著発刊。
谷川伸さん。
同書は、A4判268頁、税別4,800円。濱田秀則(九州大学)、Jaw-ChangLaiw(台湾政府道路局)、大城武(琉球大学名誉教授)ら共同執筆者の研究を、外壁防水施工団体協議会(略称GSK)の会長も務める谷川氏がスワミー博士と共同で監修集大成したもの。
発売;工文社http://www.ko-bunsha.com/
>>全文を読む

防水歴史図書館について

画像の説明

「BOUSUIデジタルアーカイブズ」防水歴史図書館とは
我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。2009年からこれまでに3冊の書籍を紹介しており、順次取材進行中です。掲載済資料は以下のとおり、毎週ルーフネットホームページトップ画面のをスクロールすると、最後に出てきます。その画面で各文献のタイトルをクリックすると、詳しい内容を見ることができます。>>全文を読む

防水メーカーだからできる省エネ・創エネ

画像の説明

屋根の上の発電所
太陽光パネルの設置に防水メーカーならではの工夫
2月27日~3月1日東京ビッグサイトでスマートエネルギーWeek2013
>>つづきを読む

絵日記

新着ニュース

2013/03/10 あんこうを吊るす鈎まで美しいnew
2013/03/08 住宅・建築物省エネ改修等緊急推進事業応募は13日(水)までnew
2013/03/07 大プロジェクト・淀橋浄水場の土木防水は明治41年末かnew
2013/03/05 民家研究における伊藤ていじの位置new
2013/03/05 宝ヶ池で泣いたはなしnew
2013/03/05 新幹線の屋根はなぜ黒い。new
2013/03/04 蓄熱槽断熱防水工事技術指針(案)講習会
2013/03/03 表面被覆材でコンクリートを守る。
2013/03/02 防水歴史図書館について
2013/02/28 防水メーカーだからできる省エネ・創エネ
2013/02/26 村野藤吾が名付けた「スタンディング工法」
2013/02/22 インフラの老朽化に備え点検・診断研究テーマ公募
2013/02/22 ニコライ堂
2013/02/21 北海道地区の建築関係者対象に講演会
2013/02/21 夜の箱根路
2013/02/20 二川の写真を藤本壮介の会場構成で見る
2013/02/18 押切もえが、防水を語る
2013/02/18 私が鮟鱇を作ったら、格好が悪いからと踏み潰されました。
2013/02/17 2013年度竹中育英会建築研究助成候補募集
2013/02/15 貫通部隙間の耐熱シール材充填不足で是正指示
2013/02/14 平成24年度 国土と交通に関する図画コンクール
2013/02/13 蓄熱槽断熱防水で指針
2013/02/11 ピングラウト協議会27回総会
2013/02/10 法然院 山門屋根 葺替え
2013/02/10 ササ刃やマトモで、道路に並べた長モノを切る
2013/02/09 「建築着工統計報告平成24年計」
2013/02/08 鶴川絵日記 ロウバイ
2013/02/07 気軽に世田谷で軒葺き体験
2013/02/06 リニューアル技術開発協会新年情報交換会
2013/02/04 立春絵日記
2013/02/03 銅板屋根工事の生き字引、斉木益栄さんのお話が始まります
2013/01/30 KRK新年会
2013/01/29 コスミック工業会今年も余興は落語で新年会
2013/01/28 日本金属屋協会新年会
2013/01/27 全アロン防水組合新年講演会・賀詞交歓会
2013/01/27 コンクリートの白化現象
2013/01/25 社会資本の老朽化対策会議設置
2013/01/24 南禅寺を横切る水路閣のひび割れ報告書
2013/01/22 東京国立博物館所蔵ミイラの柩の黒はアスファルト?
2013/01/21 「日本の民家一九五五年 二川幸夫・建築写真の原点」展
2013/01/20 大阪城天守閣の銅瓦
2013/01/19 含水率測定技術日本一
2013/01/19 天徳内裏歌合(防水マンのための百人一首講座)
2013/01/19 1000日前 ROOF-NET ホームページ OPEN ! でした。
2013/01/18 水路閣のつらら2013年
2013/01/17 絵日記 日吉大社のベーレンアウスレーゼ柿
2013/01/16 200万人が見た「防水・アスファルト」の文字
2013/01/14 建築電磁環境に関する建築学会の研究発表会2013
2013/01/13 かるたびらき
2013/01/12 防水と人気アニメ「ちはやふる」
2013/01/12 絵日記 F.ヴァッサーの家
2013/01/07 平成25年 巳年絵馬
2013/01/09 世田谷民家園で1月27日(日曜)茅葺き体験
2013/01/08 国宝 鳥獣戯画と防水
2013/01/06 平成25年近江神宮かるた名人・クイーン戦
2013/01/02 正倉院の屋根補修でも用られた銅板 その2

 :
以前の更新情報はこちらをクリック!

宝ヶ池で泣いたはなし

連載5回目 銅板屋根とともに(下)

画像の説明
この写真は宝が池ではありません。都心の寺院の巨大なかまぼこ銅瓦屋根です。

※ ※ ※

次の「銅板屋根とともに」は宝ヶ池のホテルの屋根で苦労した話です。
銅板屋根の匠は設計者の過酷な注文に応えるべく奮闘します。ところが奮闘したのは金属屋根屋さんだけではありませせんでした。凝りに凝った形状の屋根から雨漏りさせないように、斉木さんだけでなく下葺きの防水工事を担当したメーカーや工事店も泣きました。このころはちょうどシート防水、中でも加硫ゴム系シートが登場し市場での確かな足がかりを確保しようとしていた時期でした。採用する側も新たな防水工法の可能性を試していた時期ともいえます。そこで当時まだほとんど実績のなかったゴムシートが採用されたのですが、ところが現在と違って接着剤の性能が防水材に追いつかなかった。メーカーや防水工事店は試行錯誤、さんざん苦労します。この京都の北にあるホテルや国際会議場を担当したゼネコンの技術者や、工事、メーカーの担当者は今でも一様に、「宝ヶ池」という名を聞くと、感慨深げにため息をつきます。

銅板屋根とともに(下) その②

私の宝物

村野先生には色々と勉強させられましたが(笑)、まだ新高輪プリンスの仕事はよかったんです。この後に出光迎賓館の屋根をやったのですが、これは屋根の中間にダムが作ってありました。屋根の途中に堰き止めがあって、そこから先がまた屋根になっていました。この場合は、メーター板で全て捨てを葺いて、上は化粧で葺きました。吊子は全部ハンダ付けです。釘止では穴が開きますからね。この建物では村野先生の仕事は、もう懲りたと思いましたね(笑)。

銅板屋根とともに②_ページ_2-1 宝ケ池プリンスホテル

あと村野先生の設計で印象に残っているのは、宝ケ池プリンスホテルですね。これは庇部分の屋根の流れが微妙なアール形状になっている上に建物が円形です。構法はスタンディングシームで長さは1m200 程度でした。当初は安易に考えていたのですが、ロール成型でやろうとすると、これがなかなか上手くいかない。最初は手回しのロールを作ったのですが、これはダメ。次にロールをコンピュータで… この時に初めてコンピュータを使いました… R 部分を制御しながら絞っていくようにしたのですが、今度は立上げ部がべコべコしてしまう。

最終的にはロールの脇に歯車をつけて、立上げ部の伸び縮みを自由にできるようにして、なんとかクリアーしました。おかげで、この現場では足こそ出しませんでしたが、利益はありませんでした。その記念に成型機を工場に取っておいたのですが、いつのまにかスクラップに出されちゃいました(笑)。

村野先生とは長いお付き合いだったので、先生が亡くなられた時に追悼文集に私も少し書かせていただきました。その際に先生の事務所から村野先生のスケッチ集を頂戴しました。これは私の宝物です。

残念なこと

設計の先生は自分の思う通りの線を引きますから、それに我々がどう応えられるかでしょうね。それがこの仕事の面白味だと思います。設計の図面通りにやっていいものかどうかの検討から始まり、先生方との打ち合わせもよくやりました。

中には残念に思える経験もしました。ある建物の設計図を見て「この屋根は絶対に雨が漏る」と思ったものですから、ゼネンコンさんとの打ち合わせの席上で「うちではできません」と言い切ったんです。ゼネコンさんも「小野が漏るといっているんじゃしようがない」と言ってくれて、設計変更をお願いすることになりました。

ところが、設計の先生は「漏ることは分かっている」という反応でした。「小野が漏ると言うのなら、漏らない方法を考えろ」という言い分です。結局、ゼネンコンさんが二重防水のような格好で屋根を葺く方法を考えて施工したのですが、10年ほどたった後で失敗であることが判明し、屋根を葺き替えています。

日本金属屋根協会機関誌「施工と管理」より転載

2013/03/05(火) 09:10:32|屋根|

(つづく)


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

画像の説明

我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

  • 主な収録項目

特集ページ


本サイトの内容の無断転載、および無断利用を禁じます。

powered by Quick Homepage Maker 4.8
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional