「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2012年1月16日号(№80)

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2012年 睦月むつき 平成24年、昭和87年、大正101年、明治145年

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第2回不動産ジャーナリスト会議賞決定

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日本不動産ジャーナリスト会議では、日本不動産ジャーナリスト会議賞の選考委員会(委員長=三橋博巳・日本不動産学会会長)を開き、「第2回(平成23年度)日本不動産ジャーナリスト会議賞」4件を決定した。>>つづきを読む

天然アスファルトの露頭が見られるジオパーク

豊川油田①-2

ここでしか見られない天然アスファルトの露頭
平野さんがアスファルトが見える層に先導してくれる。地域の共有地で農家が田んぼの土を採っていた。その時現れたのが黒い「土瀝青」だった。>>つづきを読む

近江神宮ホームページが大幅リニューアル

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近江神宮は防水業界にとって最も関連の深い天智天皇を祀る神社
http://oumijingu.org/publics/index/1/
近江神宮HPのリンク集に「防水関連サイト」として「ルーフネット」が次のように照会されています。>>つづきを読む

絵日記

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今でも「燃える土」は見ることができる その1

アスファルトマニアが語る、天然アスファルトの湧出地・地質遺産としての豊川油田の魅力

天智天皇に献上されたのと同様の「燃える土」を見ることができる

天然アスファルト採掘風景

天然アスファルト採掘風景(明治30年頃。槻木地区。写真提供:豊川油田資料館)

天然アスファルト採掘後

天然アスファルト採掘後水がたまり現在は池になっている。

668年天智天皇即位の年に越の国から燃える土(天然アスファルト)と燃える水(石油)が献上されたという。
日本書紀の記載にされた「献上地はどこか」という明治から続いた論争は、現在新潟の黒川村(現材の胎内市)である、ということで一応の決着を見ている。確かにその当時燃える土と燃える水は黒川村で産出したのだろうが、現在では当時の面影はない。現在でもアスファルト(燃える土)の層が露頭し、燃える水が地面からしみだしてくるのを見ることができるのは、秋田県豊川村(現潟上市)真形尻、鳥巻沢地区などである。

この地の産業史上の価値と地質学上の価値に注目し、豊川油田を近代産業遺産としての認定を勝ち取り、NPO「豊川をヨイショする会」を設立して、産業遺産の施設やアスファルトの露頭地の保存活動を進めているのが佐々木榮一さんだ。ルーフネットでは年頭にあたり連続記事として4回にわたって豊川の魅力を佐々木さんから紹介していただきます。

佐々木さん

佐々木さんのプロフィールは以下の通り

  • NPO「豊川をヨイショする会」理事長
  • 北海道夕張市出身、高校時代はアンモナイト等の化石収集に熱中をしていた。現在横浜市青葉区在住。
  • 昭和41年秋田大学鉱山学部鉱山地質科に入学。石油地質学を学び秋田県内の地質調査を実施。
    豊川油田、黒川油田等を調査し、調査中に豊川油田の昭和町豊川真形地区の民家に寄宿しお世話になった。
  • 昭和47年秋田大学鉱山研究科修士課程修了
  • 同年石油資源開発(株)に入社。
    日本国内の石油探査業務を行う。
    海外ではバングラデッシュ国、マレーシア国、オーストラリア国、ロシア国サハリン等の海外プロジェクトの石油探査業務に従事した。現在、エスケイエンジニアリング(株)地質部長
  • 趣味:15年ほど前から考古学(特に縄文時代のアスファルト利用)に興味。更に、日本国内の石油の歴史に興味あり、時代小説等の読書。
  • 活動:現在NPO「豊川をヨイショする会」の理事長として、「石油の里」実現に向けての活動をしている。

豊川油田に於ける3つの魅力とは?

  1. 豊川油田地域は天然アスファルト(土(ど)瀝青(れきせい))の産地である。
  2. 豊川油田の原油・天然ガス生産と操業の歴史。
  3. 天然アスファルトの湧出地、地質遺産(大地の遺産)の魅力。

豊川油田の魅力

天然アスファルト(土瀝青)の産地の話

縄文時代における天然アスファルトの利用の話

大昔のアスファルトの利用と聞くと、エジプトでミイラ保存のためにアスファルトを表面に塗りこんで保存している話はご存知かと思います。日本国内ではそれより古い5000年の縄文時代から利用されており、北は北海道から南は関東地域まで天然アスファルトの遺物が縄文時代の遺跡から出土している。主な利用は矢じり等の柄の部分を固定するための接着剤である。他には土器や土偶の割れ目の接着にも使われている。珍しいものとしては鴻上市狐森遺跡から出土した「人面付環状注口土器」(国指定の重要有形文化財)にはアスファルトでコーティングされている。豊川油田から僅かに4km離れた遺跡である。また、田沢湖の湖畔で発掘された「潟前遺跡」では重さ3kgものアスファルト塊が出土した。恐らく、豊川油田地域から運搬されたものであろうと推測されている。

一筆箋
アスファルトコーティングの土器

この土器は重要文化財に指定され秋田県立博物館でミュージアムグッズ売り場では一筆箋の表紙にもなっている。

天然アスファルトの産業への応用の話

江戸時代後期になって黒澤利八は豊川村に移り住み、土瀝青から油煙を製造する技術を確立した、油煙はニカワと混ぜて、油煙墨として、遠くは江戸、京都や大阪まで販売されたと言う。他に油煙は染料などにも利用された。その製造は明治末まで続いた。

三代目黒澤利八(平八)は明治10年上野で開かれた内国勧業博覧会に土瀝青と抽出した灯火用油を展示した。そして、東京市長でもあった由利公正(ゆりきんまさ)は黒澤利八からその土瀝青を購入して、アスファルト舗装を実演したが、火災を起し、失敗した。翌年神田の昌平橋でアスファルト舗装の実践に成功した。

この事業以降、天然アスファルト(土瀝青)の需要が増え、その採掘事業が活発化した。明治30年中頃から天然アスファルトの採掘業者が増えて大混乱の状況であったようです。その混乱を収めるために広田万治、黒澤利八、鈴木農太郎、平野源次郎等が協議した結果、その筆頭に平田万治がなり、その操業を平野源次郎が一手に引き受けて採掘をおこなった。なお、平野源次郎の業績を記す石碑が昭和公民館前に存在している。

この天然アスファルト採掘中には様々な遺物が出土している。氷河時代に生存していたナウマンゾウの歯の化石、旧猪の頭骨、鹿の骨等の動物化石や縄文時代の土器などの遺物である。

明治40年以降になると採掘会社が設立され、中外アスファルト(株)、日本アスファルト商会の2社が中心となっていた。明治42年には年間4,137トンも生産をおこなったが、大正10年には全くおこなれなくなった。その理由には埋蔵量が少なくなったのと、豊川油田の発見によって得られた石油系アスファルトの増加であった。

展示室

>>つづく


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

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我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

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