1等100万円 第39回水コンペ応募登録受付中
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今回のテーマは、アジアモンスーンの「家」。
総合防水メーカー日新工業㈱がアイデアコンペ
高温多湿を大きな気候的特徴とするアジアモンスーン地域。日本列島の大部分はその中に位置し、世界的にも降水量の多い、水に恵まれた環境にあります。
豊富な水や湿潤な空気は豊かな植物資源を生み出し、その恵みによって木造建築や農耕が誕生し、発展しました。高床、勾配屋根、深い軒といった建築の形態も、アジアモンスーン気候から合理的に導かれた形式であり、「家」という生活形態も、農耕を支えるための共同体を養う場として編み出された生活様式です。つまり私たちの生活とそのかたちは、アジアモンスーン気候によって育まれてきたものなのです。
しかし、20世紀以降、私たちの選択した生活様式は、はるかに乾燥した気候の下で生まれ育った近代文明を下敷きにして再形成されていったため、私たちを育んだアジアモンスーン気候とは必ずしも相性のよいものではありません。言い換えれば、現在の私たちの生活は、私たちに身近な自然とはいささか縁遠いものになってしまっているとも言えるでしょう。
ところが昨今は、地球温暖化に伴うCO2排出削減という課題に加え、電力消費の削減要求などの社会問題も発生しているため、エネルギー負荷を減らしアジアモンスーン気候に寄り添いながらも快適な生活スタイルや環境低負荷型建築を実現することへの関心が高まってきました。
そこで今回は、アジアモンスーン気候の特徴、たとえば夏場の高温多湿、夕立、強い日射など、私たちに身近な自然を積極的に活用しながらも、快適で現代的であるような建築の提案を求めることに致しました。
家に「」をつけたのは、単に自然環境と建築の関係を解くだけでなく、そこに住まう人たちの人間関係も合わせて提案して欲しいと考えたからです。アジアモンスーン気候の定義や「家」の解釈などは、日本に限定せずに広くアジア地域を想定していただいてもかまいません。みなさんの自由な発想に期待を致します。多くの方々のご提案をお待ちしています。
- 審査委員 委員長 六鹿 正治(審査委員長/日本設計代表取締役社長)
- 委 員(50音順)
- 青木 淳(青木淳建築計画事務所代表)
- 妹島 和世(慶應義塾大学教授)
- 藤本 壮介(藤本壮介建築設計事務所代表)
- 山本 敏夫(鹿島建設専務執行役員・建築設計担当)
- 相臺 公豊(日新工業代表取締役社長)(敬称略)
- 賞 金 総額 260万円/すべて税込
- 1等 1点 100万円
- 2等 1点 50万円
- 3等 1点 30万円
- 佳作 8点 各10万円
- 発 表
- 審査の結果は入賞者に通知するとともに、『新建築』2013年1月号で発表。
- 日 程
- 応募登録期間
2012年4月2日(月)~2012年10月2日(火) - 作品提出期間
2012年8月24日(金)~2012年10月9日(火)必着
- 応募登録期間
ダム ド シュノンソー断面
マクロキラー40・F3.5/OMD (写真は記事とは関係がありません)
応募に際して、審査員よりのヒントがありました。
審査委員コメント
- 六鹿正治
日本やアジアのどこかの、雨や風や雲をはらむ風景、自然の慈愛やあるいは畏怖にあふれる風景から何か閃きが湧きませんか。大気中の水分を透過してきた太陽の光に照らされた景観から何か思いが湧いてきませんか。環境に寄り添いながらも何か新鮮な意思表明がほしいですね。
- 青木 淳
ぼくたちが生きているこの世界。それをそのまま受け入れ、それにあらがわず、どうしたらその中で快適に過ごすことができるか。そういうことに、想像の翼を広げてもらいたいと思います。もちろん、だからと言って、必ずしも過去に帰るばかりでなく、現在だからできるモンスーンの環境、また住まい方がきっとあるはず。期待しています。
- 妹島和世
私たちはアジアの自然の中に住んでいます。今まで私たちがつくってきた建物はそのことを忘れがちだったと思います。建物がそうであるとたとえば人と人との関係とか、たとえば町のあり方とか、そしてそれから物事の考え方まで何か無理が起こってしまうように思います。何か考えられるはずです。
- 藤本壮介
今回のテーマは、未来を見据えたとても本質的な問いだと思う。気候、環境、歴史、生活、家族、社会、つながり、共同体、現代性などなど、僕たちを取り巻くさまざまな状況を再構築するような案を期待しています。
- 山本敏夫
経済、技術、文化の発展により快適な生活を謳歌しているが、自然の脅威、エネルギー、温暖化等の問題も抱え、生活のあり方が問われている。
アジアモンスーンという環境でどのような「家」が提案されるか期待しています。
- 相臺公豊
高温多湿で洪水等の自然災害も多いが、水の恵みによる多くの可能性を持っているのがアジアモンスーン地域であると思います。自然の恩恵や脅威と上手に付き合う現代的な「家」を、想像力豊かに提案してください。
2012/05/17(木) 08:43:01|NATUREフォーラム|