豊川油田展示室~土瀝青・油田の歴史~
豊川油田展示室~土瀝青・油田の歴史~
天然アスファルトが採取されていた池から怪獣出現!
秋田県潟上市昭和の東北石油本社事務所内に設置されている「豊川油田展示室」に怪獣「豊川タールサウルス」のジオラマが設置され、展示パネルなども一新されている。
豊川油田展示室は、豊川油田で天然ガスを生産出荷する東北石油の本社事務所内に2010年に開設された。油田の地質学上の特長や、産業史を解説するポスターや明治期以降の現地の写真、天然アスファルト(土瀝青)やその純度を高めた「万代石」、原油サンプルなどを展示している。
「豊川油田の歴史を伝える会」(会員数37)の平野俊彦会長(71・東北石油社長)※写真は5年前に撮影したもの。
後ろが展示室で入場無料。平日午前8時~午後4時半。土日祝日は事前連絡が必要。
問い合わせ:東北石油 ℡018-877-2069
4500年前から3000年前の先史時代、天然アスファルトは、ひび割れ補修、接着、コーティングに使用された。縄文時代、天然アスファルトは貴重な材料であり、重要な交易品だったのである。アスファルトの付着した土器は全国的に出土している。聖書には防水材としてのアスファルトの用途が明確にかかれている。一方日本ではそのような周知の記録はないが、同様の用途で、広く使用されていたわけだ。アスファルトが全面にコーティングされた土偶は秋田県立博物館でみることができる。
日本建築学会防水アーカイブWG(田中享二主査)は、2019年7月1日、防水の歴史資料収集・調査の一環として、新潟県胎内市のシンクルトン記念公園内の、「油坪・あぶらつぼ」と呼ばれる、石油の湧出地を訪問した。ここで湧出した油を採取、成分分析を行い、10月7日の委員会でその概略が発表された。また、来年度は天然瀝青が露呈している秋田県・豊川油田見学の検討を始めた。
実はその相談のために平野氏に連絡を取ったところ、新たな展示物や、模様替えに関する情報が得られた。その様子を、秋田魁新報社が取材し、「秋田さきがけ」2019年5月30日号に掲載されたことをお聞きし、掲載誌を送っていただいた。
豊川油田の歴史を伝える会から送っていただいた掲載紙と展示案内。展示内容を制作・監修しているのが、同会顧問の佐々木榮一氏。
※佐々木氏に関してはルーフネットでサイト内検索してください。防水アーカイブWGでは秋田土瀝青露出地見学の前に佐々木氏からレクチャーしていただく予定。
「秋田さきがけ」によると
油田に興味を持った怪獣・SFおたくを自認する秋田大大学院理工学研究科の三浦武准教授(53)が、タールサウルスを着想し制作(大きさは縦25センチ、横35センチ)、豊川油田の新たなシンボル・怪獣「豊川タールサウルス」としてジオラマを寄贈した。
かつて天然アスファルトが採取されていた豊川地区内の池から怪獣が出現したという設定だそうだ。
2019/10/27(日) 18:59:26|考古・地学|