苫(とま)と 筵(むしろ)
苫(とま)と 筵(むしろ)
草の元末を揃えて編んだものが苫
苫。写真提供・中野誠氏(美山茅葺株式会社代表)
苫(とま)をネットで語彙検索すると「菅 (すげ) や茅 (かや) などを粗く編んだむしろ。和船や家屋を覆って雨露をしのぐのに用いる」、さらに「苫葺き」は、「苫で屋根を葺 (ふ) くこと。また、その屋根」と、要領を得ません。ならばと広辞苑を引くと、「菅 (すげ) や茅 (かや) を菰(こも)のように編み、和船の上部や小家屋を覆うのに用いるもの」。変わりませんねえ。
やはり茅葺職人に訪ねるしかないでしょう。
写真提供:塩澤実氏(茅葺屋代表)
中野さんのところで修業した神戸の茅葺職人の塩沢さんに尋ねました。
「苫」とはワラやスゲなどの草を、元末を揃えて編んだものです。元の方を棟側にして、軒から棟へと重ねながら屋根の上に広げると、逆葺きの茅葺き屋根ができあがります。ちなみに元末を交互に草を編んだものは「筵(むしろ)」や「簾(す)」。とのこと。
さらに「あらかじめ編んでおいたものを巻いて束ねておけば、これをさっと広げて仮止めするだけで雨露が凌げる優れものです。耐久性はありませんが、手軽に雨養生するにはうってつけな葺き方です。」とも。さすがルーファーです。
2017/02/16(木) 23:27:39|屋根|