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水路閣改修調査委員長 石田潤一郎さんについて

水路閣改修調査委員長 石田潤一郎さん について

疏水余話5

水路閣

1952年、鹿児島市生まれ。京都大大学院修了。専門は近代建築史。2001年から京都工芸繊維大教授。南禅寺水路閣の改修調査検討委員長や、舞鶴市の赤れんが倉庫群の保存活用検討委員も務める。著書に「関西の近代建築」「都道府県庁舎」。

水路閣足場
応急対策された水路閣

 
いしだ・じゅんいちろう
読売新聞2010年3月10日 に紹介されている。
京都工芸繊維大教授、石田潤一郎さん(57)は大学生だった頃、京都市内に残る建築家、武田五一(1872~1938)設計の建物を調べたそうだ。1970年代、近代建築についての研究は少なかった。取材の結果、京大時計台(左京区)、府立図書館(同)、関電京都支店(下京区)、京都市役所(中京区)……。83年までに37軒を確認した。京都観世会館隣りの藤井有鄰館もその一つ。
「権威的な重々しさがなく、前衛的なデザインを取り入れながらも、親しみやすい」のが武田五一の作品。その代表例が、左京区岡崎の琵琶湖疏水沿いに立つ藤井有鄰館なのだという。(注:有鄰館の鄰の字はヘンとツクリが逆になっている)

ゆうりんかん

画像の説明

藤井有鄰館 滋賀県出身の実業家藤井善助(1873~1941)が設立。中国の殷代~清代の青銅器や仏像彫刻などを展示。85年、京都市登録有形文化財。 開館は毎月第1、3日曜日の正午~午後3時半(1、8月は閉館)。設計した武田五一は、広島県福山市生まれ。東京帝大に進み、図案学研究のため渡欧、装飾 芸術アール・ヌーボーなど最先端のデザインを学んだ。帰国後は、京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大)などの創設に尽力した。 1926年(大正15年)、中国の美術工芸品の展示、保存を目的に建てられた鉄筋コンクリート3階建て。近代の私立美術館の建物としては最古とされる。入り口は、龍が浮き彫りされたアーチ型。3階のバルコニーは、日本建築で使われる「肘木」が支える。館内の天井などには優美なステンドグラスが使われている。

同記事によると…

斬新なデザインだが、美術館や図書館が立ち並ぶ閑静な一帯になじんでいる。「和、洋、中を自由自在に混ぜ合わせているものの、全体的にあっさりとしている。穏やかな新しさが、古都の雰囲気を損ねずに、モダンな京都を演出した」と語る。

武田は明治後期から昭和初期にかけて、さまざまな建物の設計をしたほか、ステンドグラスや家具のデザイン、本の装丁なども手がけた。建物や作品には随所に柔らかな曲線の装飾が施されており、近年、ファンが増えている。

「今で言う『かわいい』魅力がある。高層ビルや巨大なマンションなど、すきのない建物に囲まれていると、温かみのあるデザインを懐かしく感じるのでは」と、人気の理由を分析する。

文化財になっていなかった近代建築も多く、83年までの調査と比べ、武田の設計した建物は少なくとも14軒が姿を消したという。跡地には、マンションなどが建った。「おおらかな設計になっており、現代生活に合わない部分は、一部修理すれば活用が可能なはず」と、取り壊しを残念がる。

「建築は、時代の美意識を反映する存在。寺社や町家、近代建築が並ぶ万華鏡のような都市空間が、京都の魅力となっている」と話している。

2010/12/26(日) 09:42:09|歴史的建物を守る|

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