正倉院(奈良)4回目の修復現場公開
正倉院(奈良)4回目の修復現場公開
一部からぶき採用で、屋根は8トン軽量化
約100年ぶりの大修理が行われている奈良市の国宝・正倉院で8月30日から9月1日までの3日間、事前に申し込んだ約5000人が見学した。今回の一般公開は4回目で、見学者が約1万8000枚の瓦を葺いた屋根に見入った。宮内庁は年末までに約3万3000枚の瓦を葺き終え、大修理は来年10月に完了する。
正倉院正倉は、奈良時代の八世紀中頃に創建され、1,200年以上の歴史を有する国宝指定の建造物で、大正2年に実施された解体修理から約100年を経過し、傷みが徐々に進行して雨漏りが懸念される状態となったことから、平成23年度から屋根の葺き替えを主とする整備工事が行われてきた。
これまでに約3万5400枚の屋根瓦を降ろし、天平時代の瓦約300枚を含む約8500枚を残して約2万4800枚を新調した。古い瓦は水がしみ込みやすいため、主に日当たりの良い南側と東側(正面)の一部に置き、残りの東側と北、西側の屋根は新しい瓦を使って修復する。
宮内庁によると、約3万5400枚の瓦を取り外し、約2万4800枚を新調した。北側と西側は瓦の下に土を置く従来の「土ぶき」ではなく、土を使わない空葺き工法を採用。平瓦の配列も一部替えたため、瓦の枚数が以前より減り、屋根の重さは約8トン軽くなったという。
2013/09/01(日) 23:39:23|屋根|