原発汚染処理水漏れの原因は草の根
原発汚染処理水漏れの原因は草の根
塩ビホースを貫くチガヤの根
「漏水の原因はチガヤの根」という東電の見解を報じる朝日新聞2月10日の記事
東京電力福島第一原発の放射能汚染水の処理水を流す塩化ビニール製ホースで昨年7~12月、水漏れが22件相次いだ問題で、東電は9日、イネ科の雑草「チガヤ」がホースに穴を開けたのが原因だと発表した。
ホースは、原子炉を冷やした後に漏れ出る放射能汚染水を浄化し、原子炉に戻す「循環注水冷却」の装置やタンクを主に屋外で全長4キロにわたりつないでいる。4層構造で、チガヤを使った実験で、先端が細くとがった芽が内側に貫通する可能性があることを確かめた。芽が出てホースに刺さった後、秋ごろ枯れて、ホースから抜けて水漏れが相次いだらしい。東電はすでに丈夫なポリエチレン製の配管に取り換えている。
ホースに長さ数センチの亀裂ができる現象も2カ所起きたが、強い力でねじれや引っ張りを加える実験では、亀裂は生じなかった。ただし、元々ホースに傷があれば亀裂が起きる可能性はあるという。
我が防水業界では、根の貫通力に関して、独自の研究を進めており、2006年より日本建築学会で、東京工業大学田中享二氏らが、世界初の研究成果を発表している。
田中享二教授(当時)・石原沙織氏(東京工業大学 建築物理研究センター)らは自ら考案した測定装置と方法で調べた結果、根の肥大力は1日単位で脈動し、1メートルの根は44kN(キロニュートン)という、起重機並みの力で、石を持ち上げ、たやすくアスファルト舗装にヒビを入れる。
カンボジア・アンコール遺跡、タ・プロムでは木の根が組石建造物を破棄し続けている。
世界に先駆けた田中・石原らの研究成果を、世界が注目する原発事故処理に生かしてもらいたいものだ。
2012/02/23(木) 00:35:08|緑化とルーフプラン|