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二川の写真を藤本壮介の会場構成で見る

二川の写真を藤本壮介の会場構成で見る

二川幸夫・建築写真の原点
「日本の民家一九五五年」パナソニック汐留ミュージアム

画像の説明
パナソニック汐留ミュージアム開館10周年プレ企画展覧会

パナソニック汐留ミュージアムで~二川幸夫・建築写真の原点「日本の民家一九五五年」~が開催されている。

  • 開館期間:2013年1月12日(土)~3月24日(日)
  • 開館時間:午前10時より午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
  • 休館日:毎週水曜日
  • 入館料:一般:700円、大学生:500円、中・高校生:200円、小学生以下:無料

「日本の民家一九五五年」展は、1959年に毎日出版文化賞を受賞した同名の写真集(『日本の民家』全10巻写真・二川幸夫、文・伊藤ていじ、美術出版社)に収められた日本各地の民家を写した280点の写真から、再度2012年に約70余点を選び出して、最新のデジタル出力技術により新たにプリントをおこし紹介する展覧会。

二川展会場2

展覧会の構成は『日本の民家』の当初の編集に基づいて展開する。日本で最も早く都市文化が形成された「京・山城」にはじまり、「大和・河内」「山陽路」「四国路」「西海路」と南下する。そして本州北端の「陸羽・岩代」に移り、再び「武蔵・両毛」「信州・甲州」と南下し、最後は二川幸夫の民家の旅の起点であった「高山・白川」でしめくくりとなる。二川幸夫は最初、一人で民家を訪ね歩くが、伊藤ていじが書き手に決まった後に二人でまた2、3年かけて日本中を廻った。カメラはドイツのフォクトレンダー製のベッサⅡが主に用いられたそうだ。

この国の自然と風土、歴史と文明のなかから生まれ、育まれてきた庶民の住まい「民家」。モダニズムの建築や今日の住宅を考える上でも、私たちの原点といえるでしょう。一方で快適で合理的なライフスタイルを優先する現代的な感覚にはそぐわなくなり、いにしえの民家は日本の風景から確実に姿を消しつつあります。

1957年から59年にかけて発行された『日本の民家』全10巻は、日本が国際的な経済発展に向けて飛躍しようとしていた頃に、あえて民家の最期の美しさにカメラを向けて、世間を瞠目させました。大地とつながる民家の力強さ、そしてそこに蓄積された民衆の働きと知恵をとらえた280点のモノクロ写真は、現在、国際的に高く評価される二川幸夫が20歳前後に撮影したものです。文章は当時新鋭の建築史家、伊藤ていじ(1922-2010)が著しました。

二川幸夫は確かな評価眼を通して見たものを建築写真として定着し、自ら主宰する出版社を中心に発表してきました。優れた建築を追って世界中を駆け巡り、比類のない作品を精力的に残してきた彼の建築の旅の原点は、この『日本の民家』にあります。

本展は1955年にさかのぼって、若き日の二川幸夫がとらえた貴重な民家の姿、そして日本人の本来の逞しさと、しなやかさを、選び抜いた約70点の作品にご覧いただきます。

パナソニック汐留ミュージアムの同展解説より。

2012年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展で金獅子賞受賞。いま、最も注目されている若手建築家が自身の作品を語る。

藤本壮介氏

1月26日(土)13:30~15:00パナソニック東京汐留ビル5階ホールで、同展の会場構成を担当した建築家・藤本壮介氏が、会場構成を担当した経緯、二川氏の作品に対する思いと、最近の自身の作品を解説した。

藤本壮介は、若手建築家の国際的な登竜門であるARAWARDSを2005年から3年連続で受賞。2011年の国際設計競技で「ベトンハラ・ウォーターフロントセンター」(セルビア共和国)、「台湾タワー」で最優秀賞を受賞。代表作に武蔵野美術大学図書館など。いま、最も注目されている若手建築家のひとり。

藤本壮介氏は1月26日の講演で、自身の作品解説の前に会場構成の経緯を次のように語った。

写真展の展示会構成といった仕事は初めての経験。二川さんの写真は一つ一つの作品が大きな力を持っており、吸い込まれそうな力がある。じっくり作品と向き合うという見方がふさわしいように思えた。壁に作品を掛けてしまうと、壁に沿った流れができて、見る時その流れで見てしまうことが多い。それは避けたかった。一枚の絵と向き合いながらも、全体像を一気に感じられる感覚も同時に持ちたい。写真の向こうに別の写真が浮いて、全体が視覚に入ってくる。さらに彼の本、日本の民家という写真集をめくるような流れも意識した。私自身は黒子に徹しながらも、ここでしかできない展示が構成できたのではないかと思っている。

2013/02/20(水)00:12:59|ニュース|

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