マリ・ジェンネ の世界遺産
マリ・ジェンネ の世界遺産
泥のモスクを住民が泥だらけで守る
ルーフネットの「歴史的建物を守る」のコーナーを贔屓にしていただいている読者から「古い新聞だけど」と言って2016年8月29日付けの朝日新聞が送られてきた。大勢のどろんこの人たちが、てんこ盛りの泥が入ったかごを頭に乗せ、モスクに駆け寄っている姿が写っている。
場所は西アフリカ、マリ中部の街ジェンネ。その旧市街が1988年、世界遺産に登録された。日干し煉瓦と泥でできたモスクはその象徴である。毎年雨季に入る前に、モスクが雨漏りしないよう,住民総出で補修しているという。確かに泥の家では何もしなければ溶けてしまうわけだ。記事はイスラム過激派により治安が悪化する中で、テロの脅威の中で世界遺産を守ろうとしている姿を報じている。
泥のモスクと壁から突き出た横引きドレンの写真を見て、思い出したのが、この本(2011年、退官記念)。ぜひ読んでください。一部を著者の田中享二先生の許可を得て転載します。写真も提供していただきました。
日干し煉瓦の壁。泥の保護層が無ければ極めて脆弱である。
2016/10/25(火) 22:26:39|歴史的建物を守る|