アスファルトもシート防水も塗膜防水も 「防水の歴史は4千年」じゃ。
アスファルトもシート防水も塗膜防水も 「防水の歴史は4千年」じゃ。
アスファルト・瀝青を単にアスファルト防水の材料としかとらえないとしたら、その人は随分遠慮深い。もっとはっきり言うと「アホ」だ。
神はノアに言われた。あなたはゴフェルの木の箱舟を作りなさい。箱舟には小部屋をいくつも造り、内側にも外側にも瀝青(アスファルト)を塗りなさい。創世記6章 9節
創世記には舟のサイズも記載されている。その大きさは15,000トンクラスの舟にあたるという。
内側にも外側にも塗りなさい。すなわち、「屋根にも壁にもアスファルトを塗りなさい」と命じたわけですね。(日本防水の歴史研究会)
4000年前、人々は天然アスファルトの用途開発を目論んで、その防水性に着目したわけではない。「防水」する必要があり、「防水性」を持つ材料がないかと辺りを見渡したら、瀝青=アスファルトという防水材がが有ったわけだ。
これは西暦2011年の現在も全く同じ。ノアの方舟の屋根と壁と船体に防水したように、建物の屋根と壁に防水が施される。バベルの塔やそれに先立つアッシリアの高層建築物と同じように、現在の超高層建築物にも目地材・防水材が欠かせない。4000年前と少し違うのは、材料の選択肢が広がったこと。天然瀝青だけではなく合成高分子の塗膜材やシート状の材料が現れ、アスファルトにしても高分子素材を添加してより高性能になった、というだけのことだ。今も昔も建物のオーナーが求めているのは、高性能な防水であって、結果として高い防水性能を持っていれば、材料はアスファルトでもシートでも塗膜でも、何だってかまわない。
だから、「防水の歴史が4000年ですよ」と言った時に、「それはアスファルトの話で、シート防水メーカーや塗膜防水メーカーには関係ない」という人の言葉に、耳を疑ってしまう。
今現在につながる防水材は4000年の歴史があるという事実に着目し、自分の仕事を見直しても良いのではないか。
天然アスファルトの杯。ヤギをかたどった取っ手を持つ円筒形の杯。高さ16.8センチ。
材料は瀝青(れきせい)すなわち天然アスファルト。古代ペルシャの出土品だ。瀝青は古くから接着剤やレンガの目地、籠や土器の防水、防腐剤などに幅広く用いられた。
天然アスファルト=瀝青は紀元前2000年より以前から、器、接着剤、防腐剤、薬、そしてシーリング材、防水材として使用されてきた。
ペルシャの杯や皿、エジプトのミイラ、矢じりの接着、バベルの塔のレンガを固定し隙間をふさぐパテ、ノアやモーセを救った船の防水などに瀝青=天然アスファルトは使用された。またバベルの塔以前にアッシリアにそのモデルが存在し遺跡として発掘されている。ノアの方舟と同じ話はオリエント世界では多く伝わっている。
4000年前の瀝青(天然アスファルト)小鉢
イラン南西部フーゼスターン州で出土した、山羊頭装飾小鉢。高さ8.2センチ、長さ20.8センチ。
ブリューゲルが描いた「バベルの塔」1563年。ウィーン美術史美術館蔵。
バベルの塔かつて世界中に言葉はひとつしかなく、みな同じ言葉を話していた。東からやってきたあるグループが、シンアルの地に住み着いた。そして「レンガを焼こう」と話あった。石の代わりにレンガを、漆喰の代わりにアスファルトを用いて、「さあ天まで届く塔のある町をつくり有名になろう」と言った。
神は塔を見て「彼らは一つの民で、みな一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が理解できないようにしよう」と言った。そして彼らをシンアルの地から全地へ散らされたので、塔と町の建設はストップした。町はバベル(混乱)と呼ばれるようになった。神が言葉を混乱させ、人々を散らしたからである。(旧約聖書 創世記11章 1~9節)
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2011/01/05(水) 00:44:24|ARCHIVES|