「施工と管理」銅屋根クロニクル-79-
「施工と管理」銅屋根クロニクル-79-
最古の公立美術館の保存と活用
京セラ京都市美術館
京都市京セラ美術館が2020年6月19日に京都府民限定を解除し、全ての人を対象に前日までの事前予約制の形でのオープンとなった。外観を維持した上での今回のリニューアルで、変わった最大のポイントは回遊と交流を生み出す広場・エントランスである。美術館前には、スロープ状の広場「京セラスクエア」が誕生。緩やかなスロープを降りると、リニューアル事業の一番のシンボルとも言える意匠の「ガラス・リボン」が正面に挿入されている。
改修前のフィニアル
車寄せの上の巨大な擬宝珠(ぎぼし)状のフィニアル。
緑青の美しい銅板屋根に関して、報告書は、「老朽化が進み、全面的な改修が必要な状態となっていた。今回の改修では、既存屋根材を部分的に撤去保管したうえで、特徴であるリブ付き瓦棒葺きの外観形状は踏襲し、乾式工法による全面葺き替えとした。屋根上の装飾役物金物は、創建当初部材の上に銅板を被せて、現地保存を図った。なお、復原部の銅板については、人工的な緑青処理は施さず、経年による変化に委ねることにした」と、記している。
今回は表紙も京美です。
日本金属屋根協会が毎月発行する機関誌「施工と管理」に「銅屋根クロニクル」を連載させていただいています。この企画は日本の重要な近代建築や寺社建築とその銅屋根を紹介し、板金職人の技と心意気を伝えようというものです。物件と紹介と銅屋根施工のポイントを紹介してゆきます。
バックナンバーはこちら>>http://www.kinzoku-yane.or.jp/chronicle/index.htm
銅屋根クロニクルー79ー京セラ京都市美術館(京都府)
2020/09/29(火) 10:05:14|屋根|