「施工と管理」銅屋根クロニクル-52-
「施工と管理」銅屋根クロニクル-52-
虎ノ門の「こんぴらさん」は伊東忠太の四神が守る
虎ノ門金刀比羅宮(東京都)
青龍
白虎
玄武は亀だ。遅いがゆえに早い。どこかに行ってしまった。
朱雀
東京・虎ノ門の真新しい高層ビルに囲まれた虎ノ門金刀比羅宮(ことひらぐう)。
万治三年(1660年)に讃岐国丸亀藩主であった京極高和が、その藩領内である琴平山(象頭山ぞうずさん)に鎮座する、金刀比羅宮(本宮)の分霊を当時江戸藩邸があった芝・三田の地に勧請した。延宝七年(1679年)、江戸城の裏鬼門にあたる現在の虎ノ門に遷座。以来江戸市民の熱い要請に応え、毎月十日に限って邸内を開放し、参拝を許可したという。
先の戦災により焼失したが、昭和二十六年(1951年)に伊東忠太の設計で拝殿と幣殿が再建された。
しかし最も目を引くのが文政四年(1821年)に奉納された明神型鳥居で、「金刀比羅大神」の扁額が揚げられている。左右の柱上部には四神の彫刻が施されており大変珍しい。四神とは四方の守護神であり、東は青龍、西は白虎、南は朱雀、北は玄武が守る。伊東忠太お気に入りの霊鳥霊獣たちである。柱の下部には奉納者である、芝地域の商人や職人の名が刻まれている
日本金属屋根協会が毎月発行する機関誌「施工と管理」に「銅屋根クロニクル」を連載させていただいています。この企画は日本の重要な近代建築や寺社建築とその銅屋根を紹介し、板金職人の技と心意気を伝えようというものです。物件と紹介と銅屋根施工のポイントを紹介してゆきます。
バックナンバーはこちら>>http://www.kinzoku-yane.or.jp/chronicle/index.html
銅屋根クロニクル 銅屋根クロニクル52 虎ノ門金刀比羅宮(東京都)
2018/03/31(土) 23:48:40|屋根|