「丸太足場技術」も伝承メニューの一つです
「丸太足場技術」も伝承メニューの一つです
京都の各地の国宝・重文改修工事で活躍
丸太の良さはフレキシビリティー
国宝修理の素屋根を支える丸太の列。宇治・平等院鳳凰堂。
11月1日、「京都府文化財建造物修理現場公開2013」が始まった。
定員360人に対して申し込みは675人。厳しい競争を勝ち抜いた人たちが、清水寺・仁和寺・賀茂御祖神社(下鴨神社)・旧三井家下鴨別邸・平等院の工事現場を見学した。その様子を報じる地元紙。
ロングスパンの素屋根の棟木も丸太だ。平等院。
工事現場公開の様子は新聞各紙が報じ、本サイトでも順次掲載してゆく予定だが、まず注意を引いたのが、丸太足場だった。ほとんどの現場で丸太足場が使用されている。その理由は、現在の規格化されたビティ足場に対して丸太足場ならではの利点があるほか、丸太足場の技術そのものも残す、という意図があるそうだ。
利点1.足場の幅や高さなど、自由に設置できる。
利点2.建物や装飾の複雑な形状に応じて必要な位置に設置できる。 自由度が高い。
利点3.単管や鉄板より軟らかいので、万一部材が足場に当たっても損傷が少ない。
利点4.あり得ないことだが、ノーヘルで単管や鉄の踏板に頭をぶつけると痛い。
特にジョイントにぶつけるとこたえる。その点丸太は頭に優しい。
下鴨神社本殿。深い軒先に、沿って入り込む丸太と板の足場。作業スペースも自由だ。
かつては縄で結んだが、さすがに結束は番線を用いる。もちろん養生シートにムシロは使わない。
※順次、平等院、下鴨神社、知恩院の屋根工事を紹介してゆきます。
2013/11/12(火) 00:41:25|歴史的建物を守る|