「コンクリートをめぐる最近の動向」で阿部教授が講演
「コンクリートをめぐる最近の動向」で阿部教授が講演 の編集
工学院大学工学部建築学科生産研究室 阿部道彦教授
発砲エポキシ樹脂を用いた低圧樹脂注入工法=ATS工法の施工団体である、ATS協議会(荒金憲一会長)は3月12日、東京・霞が関の東海大学校友会館で第18回定期総会と記念講演会を行った。
ATS工法は発砲エポキシ樹脂の自らの発砲圧により、エポキシ樹脂が自動的にひび割れの中に注入される工法。鉄筋コンクリート外壁などに発生したひび割れや浮きの中に入り、防水性の回復や剥落を防止するというもの。
同協議会では平成5年の設立総会以来、毎年コンクリート構造物の維持管理、劣化、ひび割れなどに関して、研究者による最先端の情報を講演会の形で提供してきた。
阿部教授は、①コンクリートクライシス=耐久性神話の崩壊②セメントの大量使用による地球温暖化の元凶説③「コンクリートから人へ」無駄な公共事業の見直しーーーなど現在のコンクリートに対する社会のイメージをどう払拭して、生き残るか、をテーマに講演した。その対策として挙げたキーワードは次の通り。
コンクリートは生き残れるか?
- 鉄筋コンクリート造のリノベーション
- 高強度化、新たな性能・価値
- かぶり厚さの問題は解消できるか
- 新技術を使いやすくする仕組み(価格・方法)
- 骨材枯渇への対応
- 天然骨材の代替骨材
- 人工骨材の利用環境の整備
- 副産骨材(スラグ骨材、再生骨材)の安全な利用
- 量的には天然骨材をカバーすることは困難
- 安全な利用のための品質管理・検査方法
2010/03/13(土) 08:52:37| 躯体保護と混凝土|