「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2011年 6月23日 号(№52)

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2011年 水無月みなづき 平成23年、昭和86年、大正100年、明治144年

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アーキヤマデ塩ビシート防水でトップシェア

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塩ビシート防水、22年度は336万平米。30周年を迎え、大台乗せ。前年比118%。
日本リベットルーフ防水工事業協同組合(髙山 宏 理事長)は5月30日、京都・烏丸塩小路のホテルグランヴィア京都で、平成22年度通常総会を開催した。>>全文を読む

SONG FOR JAPAN

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3.11から3ヶ月。 SONG for JAPAN !
東京芸大3年生12人が、古巣の芸大附属高校ホールで、コンサートを行った(主催・響親会)。宮脇さん、佐藤さん、梁川さんの金管トリオは、プログラムのアーサー・フラッケンポール・金管三重奏曲の後、この曲を演奏した。>>全文を読む

全アロン防水組合お薦めウェブマガジン

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防水組合の会報に「ルーフネット」がお薦めNETマガジンとして紹介されました。
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T's スタイル 第1号は「岩見沢複合駅舎」特集

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岩見沢駅舎建築コンペで最優秀賞を受賞し設計に当たった西村浩さんへのインタビューです。
総合防水メーカー最大手の田島ルーフィングは、このほど創刊した「T's スタイル」(A4 カラー14ページ)第1号で、岩見沢駅舎の設計にあたった建築家・西村浩さん(ワークヴィジョンズ)の詳細なインタビュー記事を掲載している。>>つづきを読む

ATS協議会が臨時総会で新体制へ移行

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新会長に本多氏(建設塗装工業常務)が就任。事務局は野口興産に移行。
東邦アーステックが製造する発砲エポキシによるひび割れ補修工法の施工団体であるATS協議会は6月10日、東京・芝公園のメルパルク東京で臨時総会を開催。本多 透氏を会長とする新役員を選出したほか、東邦アーステックの工法特許期限が切れたことに伴う会則の一部変更、事務局の移管、技術顧問制度の導入などを決定した。>>全文を読む

絵日記

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新着ニュース

2011/06/20 塩ビシート防水好調。ロンプも300万㎡突破new
2011/06/19 防水の起源。「燃水祭」カウントダウンnew
2011/06/17 JWMA(日本防水材料協会)が社団法人化後初の総会new
2011/06/15 黒川村まで460キロメートルnew
2011/06/14 ATS協議会が臨時総会で新体制へ移行
2011/06/13 アーキヤマデ塩ビシート防水でトップシェア
2011/06/11 SONG FOR JAPAN
2011/06/10 全アロン防水組合お薦めウェブマガジン
2011/06/09 T's スタイル 第1号は「岩見沢複合駅舎」特集
2011/06/09 田中享二先生最終講義始まります。
2011/06/08 「燃水祭」の御案内がきました
011/06/07 最近のチタン屋根に関する解りやすい情報
2011/06/06 サンロイドDN シート防水出荷量は20%増
2011/06/03 全防協総会
2011/06/02 Q&A 近江神宮HPトップになぜ防水専門サイトのバナーがあるの?
2011/06/01 上村克郎先生82歳のお話
2011/05/30 日本アス防水協組48回総会
2011/05/27 KRK第42回定時総会 好調続く塩ビは16%増
2011/05/26 菅首相、「太陽光パネル1000万戸に設置」表明 ですって!!
2011/05/26 大震災。即思い出したのは、今泉先生の言葉でした。
2011/05/24「燃える土とはアスファルト」!間もなく近江神宮から燃水祭のご案内
2011/05/21 「震災被害を受けた建物の修復をどうしたらよいか」
2011/05/19 タイル改修の巨大マーケットにどう取り組む?
2011/05/16 7月7日は燃水祭! 防水の起源にかかわる大事なお祭り。
2011/05/16 世界遺産・下鴨神社の屋根の葺き替え
2011/05/14 水路閣の美しくも危険な壁面緑化
2011/05/13 ルーフネットの注目論文 その2 (2011年日本建築学会奨励賞)
2011/05/11 歴史画家・小堀鞆音(こぼりともと)について
2011/05/10 「燃土燃水献上図(小堀鞆音画)」とは
2011/05/09 塩ビ樹脂の生産再開は5月下旬
2011/05/08 白洲次郎の愛車ペイジの折りたたみ式屋根
2011/05/06 ルーフネットの注目論文 その1 (2011年日本建築学会奨励賞)
2011/05/03 防水の祖神・天智天皇を祀る近江神宮の夏は忙しい。

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最終講義 ②

防水研究の第一人者。
東京工業大学田中享二名誉教授の最終講義。第2回目です。
最終講義「防水に関わる2・3の話題と研究から学んだこと」から

第2回目:40年の研究を通して得た結論は「防水の本当の役割は、建物本体を長持ちさせること」

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 まずこの写真をみてください。私が昨年(2010年)の夏、マリ共和国に屋根の調査に行き撮影したものです。昨今何かと話題となっているリビヤの南側にサハラ砂漠という広大な砂漠があります。その南端にこの国はあります。屋根はフラットルーフばかりです。首都はバマコで、ここには若干鉄筋コンクリート建物はありますが、首都を離れますと、日干しレンガと泥で作られたこういう家ばかりになります。健全な建物は、真ん中に見えますように、パラペットがあってちゃんとしているのですけれども、手入れが悪かったりすると、手前の家のようになるわけです。家がこんな風になってしますと、日本ではもう住まないのですが、マリのひとはこんなになっても頑張って住んでいます。
 かなり崩れていますが、これをそのまま放っておきますと、本当に壊れてしまいます。砂漠の気候で、なんでこんな風になるかと言いますと、実は雨です。私が調査に行った8月は雨季でした。ドライバーとガイドさんと3人でマリを駆けずり回ったのですが、一日に30分程度ですが、道路がどこかわからなくなるくらいの強い雨が降ります。ちなみに地元のひとは「スコールとは言わないのだ」と言っていました。何と言うのかと聞きましたら、強い雨とだけ言うのだそうです。

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 そうすると、建物が溶けてしまう。溶けないように何とかしなくてはならないことになります。これはまともな建物の写真ですが、そのための仕組みがパラペットです。パラペットに横引きのドレンをつけます。さらに樋を付けて長くして、雨を建物本体から十分に離れたところに落とします。このことにより、雨を建物に触らせないようにするのが、マリの建物の作り方であるということが分かりました。

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 ここで建築材料、特に構造材料について解説しますと、一般的に水が苦手です。土はこのように溶けてしまいますし、木材は腐ります。鉄は錆びます。コンクリートでも内部に水が入りますと凍害を起こします。鉄筋コンクリートのコンクリートも程よい水分があると中性化が進みます。そして次に鉄筋が錆びます。このように構造材料や部材は基本的に水が苦手です。

 この写真は、私の好きな建物、閑谷学校です。岡山市から車で30分くらいの閑谷というところに、江戸時代の藩校があります。左側にその講堂が写っています。私が20年ほど前に初めて訪れた時はまだ有名ではなく、訪れる人も少なく管理の教育委員会の方が直接案内してくださいました。今はすっかり有名になりましたので、観光ガイド等でご覧になることも多いと思います。

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 私がここを訪ねたのには理由がありました。これが三層の屋根構造を持っているということを知ったからです。一番上が、備前の赤瓦です。備前焼は瓦に使うものではありませんで、本当はいろいろな容器に使われます。我々に近いところで言いますと、小料理屋さんのぐい飲みとしてよく見かけます。。備前焼は上薬をかけませんで、炎だけで模様をつけますので、すぐ分かります。そしてその下に流し板葺きという長い板を入れ、その下に土居葺(どいぶき)あるいは柾葺(まさぶき)と呼ばれる、薄い板材で葺いた屋根があります。全体で三層の屋根構造にしてあります。つまり、完全に雨水を止めようと思ったら、三重にしなければならないというわけです。先日、大改修中の出雲大社の現場を見学する機会がありました。ここもやはり同じ屋根構造でした。これを見て「本物の建物、屋根」を実感しましたし、「江戸の棟梁はそこまでやるのか」と驚嘆もしました。

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 三重構造にした理由ですが、木を腐らせないための工夫だと思います。我が国の伝統建築を特徴付けるものは、伝統木造建築の三点セット、これは私が勝手にそう呼んでいるのであまり信用しない方がよいのですが(会場笑)、一つ目は強い勾配の屋根、二つ目は深い軒の出、三つ目は高床。この三つを書き込みますと、絵の下手な方でも、何となく日本の伝統的な建物の雰囲気を出すことができます。

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 これらのことが、閑谷学校に行くとよくわかるのです。屋根は急勾配の備前焼の赤瓦。それから深い軒の出。これらは雨が降った時、柱や梁といった主要部材に、直接雨が当たるのを少なくするためです。それと高い床ですが、これは足元を風通し良くして、木材を気乾状態に保つための工夫です。もちろん室内に雨が入ったら、快適な生活が阻害されますので、屋根には防水の役割はあります。しかし本当の役割は、建物を何とか長持ちさせようとする点にあります。江戸の棟梁も頑張りましたし、マリの職人さんも頑張っています。私が40年の研究を通して得た結論は「防水の本当の役割は、建物本体を長持ちさせる」であります。
 そして屋根が建物を守るために頑張らせるためには、防水材料も頑張らなければならないことになります。防水が10年くらいの寿命でよいというのは、やはりおかしく感じます。卒論で研究を始めた時分には分かりませんでしたけれども、今はそのように思っています。

>>つづく


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

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我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

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