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茅葺屋根をいぶす

茅葺屋根をいぶす

足利学校の茅葺屋根は大蛇が口から吐き出す煙で守られていた

 ↓↓ ここでその様子を見ることができます。
http://www.ashikagagakko.jp/staff/2011/08/post-308.html

足利学校
足利学校「方丈(ほうじょう)」撮影:日本防水の歴史研究会
宝暦年間の資料をもとに再建された足利学校。 

燻煙中
(写真提供・足利学校)

茅葺屋根を維持するのが困難な理由は、茅の不足と職人不問。実はもうひとつ大きな課題がある。茅が腐らずに雨仕舞いの機能を果たすためには 、いつも煙でいぶされていなければならない。毎日屋内で薪が炊かれていれば、煙に含まれる油分が茅に移るため茅の防腐、防虫効果を発揮する。さらには上昇気流が起こり、茅葺き内部の空気の流通による適度な乾燥まで期待できる。煙りにさらされない茅葺きの中は、虫にとっては最高の棲みかだ。

とは言っても身体や衣服に着いた煙りの匂いは干したくらいでは決してとれない。しっかり洗濯しなければならない。現状、日常的に室内で薪を焚き続けることは難しい。

白河郷や五箇山の合掌造りの茅葺き農家に泊まってみると、煙いことおびただしい。目や喉が痛くて、確かにちょと敏感な人は我慢できない。だから一般の足利学校のような見学者が多いと、常時薪を燃やしているわけには行かない、という。

かといって、手をこまねいていれば、天井から「ヤマトアカヤスデ」がぽたぽた落ちてくる。ムカデと似ているが毒はない。しかし独特の臭気があるため、来館者の苦情があった。そこでスタッフが考えたのが、この大蛇の導入だ。

燻煙装置
(写真提供・足利学校) http://www.ashikagagakko.jp/ 
安全のため、トラックの上に積んだ窯で広葉樹の雑木薪(ナラの木など)を焚く。

毎月1回、休館日に2、3時間煙を建物内に吹き込む。曇りの日などは屋根の隙間から漏れる白い煙がくっきり見えるため、火災通報されたこともあったそうだ。足利学校には現在、学生の講義や学習・学校行事や接客のための座敷として使用された「方丈(ほうじょう)」,食事など日常生活が営まれた「庫裡(くり)」、薪や農具置き場兼食料を保管した「木小屋(きごや)」の3棟の茅葺き建物があり、これを順番に燻煙している。

もちろんメンテはこれだけではありません。(続く)

2011/09/07(水) 07:51:50|屋根|

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