日本書紀の燃土「瀝青(アスファルト)献上」。塚田秀鏡はこう彫った
日本書紀の燃土「瀝青(アスファルト)献上」。塚田秀鏡はこう彫った
日本書紀、天智天皇に献上したのは燃土(瀝青=天然アスファルト)と燃水(=石油)。
防水の起源を間近で見られるチャンス
六本木泉屋博古館の許可を得て撮影しました。
天智天皇と防水に関してはメニューの「日本書紀と瀝青」をクリックしてください。
ルーフネットの仮説 其の2
塚田秀鏡のこの作品「燃土燃水献上図花容器」は最晩年の作品で、かつこのテーマとなる献上図を残すための記念作品として依頼されたものではないか。
最晩年の作品であることは、『日本の防水の原点「日本書紀~燃土燃水献上図」を見に行こう!』に示した。
彫金作品をじっくり鑑賞する機会はこれまで少なかった。もちろん塚田秀鏡なんて名も知らなかった。今回まじかに作品を見て、その精密かつ強靭な線に驚きました。人物の表情など小堀鞆音の原図よりリアルな気がする。そして同時に展示されている塚田の他の作品と比較したとき、この献上図花容器は作品の完成度として一歩譲るのかな、と感じてしまいました。絵柄に対して花容器がずいぶん大きいのです。人物の彫りは見事なだけに、気になる。モチーフの方にウェイトがかかっていますね。そう言えば特別に大きい作品なのに、ポスターには採用されていない。
学芸員によるギャラリートークの際「花容器は、これまでの作品に比べて、かなり大きい、おそらく輸出用を想定している。通常こうした作品は一対で製作されることが多い…」と解説していた。おそらく秀鏡は、この絵を表現することに主眼を置いたのではないでしょうか。
2010/11/14(日) 23:42:00|ARCHIVES|