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新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える

新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える

槇文彦氏の問題提起受け10月11日18:00から 日本青年館でシンポ

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神宮外苑に不時着した巨大マウス型UFO。高さ70メートル。定員8万人。(国立近現代建築資料館で撮影)

近代的生態学の立場から見れば代々木の森は、100年前の日本人が100年計画で作った70万㎡の、奇跡の森と呼ばれる程の人工林だ。松がまばらに生えた荒地に全国から95,000本の献木が寄せられ,労働奉仕によって明治神宮を取り囲む鬱蒼とした森に生まれ変わり、その壮大且つ綿密な計画に世界が驚いた。

そして今、オリンピック施設として、その森にのしかかるような巨大施設建設計画が始まった。

新国立競技場を考えるシンポジウム実行委員会(元倉眞琴代表)が、10月11日午後6時から、東京都新宿区の日本青年会館でシンポジウム「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」を開く。槇文彦氏が日本建築家協会(JIA)の会誌『JIA MAGAZINE』8月号(295号)で指摘した問題を受け、槇、陣内秀信、宮台真司、古市徹雄の4氏がパネリストとして意見を交わす。

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槇氏がJIAに寄稿した「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈で考える」で提起した問題点は、①場所の歴史と都市景観、②公共建築のプログラム、③コンペのあり方、の3点。東京オリンピックその物や、ザハ案への批判は微塵もなく、丁寧に言葉を選んで6ページに及ぶ特別寄稿に思いの丈を込めた。論文は関係者に絶賛され多くの共感を呼び、今回のシンポジウムが実現した。

当初主催者は会場に建築会館を予定していたが、反響が大きく、急きょ会場を、新宿霞ヶ丘7-1の日本青年館中央ホールに変更、さらに入りきれない参加者に備え別室でのモニター上映とインターネット中継を決めた。

古市徹雄JIA MAGAGINE編集長が槇氏に行ったインタビューで 槇氏は古市編集長からの質問に対し、「(エッセーの)一貫したメッセージはこうした場所における巨大建築を様々な角度から検証していることです。したがって一番大事なことは、この計画案はまだ計画の初期の段階のものです。しかし時間はありませんから、なるべく早い段階に、そのプログラムを根本的に見直すことだと思います」「このコンペでは、あまり敷地もひろくないところで(東京体育館の)10倍の施設をつくることは完全なミスマッチだと直感的に感じました」「国際コンペに参加することは多くの建築家にとって夢であり、ロマンなのです。…我々はそのロマンの燈火を大事に守っていきたいと思います」と語っている。

 定員は先着350人。参加費は一般1000円、学生500円。
実行委員会事務局のメールアドレスは、kokuritsu.wo.kangaeru@gmail.com

シンポジウム発起人(敬称略)。

五十嵐太郎、伊東豊雄、乾久美子、宇野求、大野秀敏、北山恒、隈研吾、栗生明、小島一浩、小林正美、佐々木龍郎、陣内秀信、曽我部昌史、高見公雄、多羅尾直子、塚本由晴、富永譲、中沢新一、中村勉、南條洋雄、西田司、波部玲子、日色真帆、藤村龍至、古市徹雄、古谷誠章、堀啓二、松永安光、三井所清典、元倉眞琴、門内輝行、山本圭介、山本理顕、吉村靖孝

槇氏の問題提起にマスコミも反応した。朝日新聞、東京新聞、ケンプラッツなどが大きく取り上げ、シンポの計画も紹介した。槇氏の指摘①は、風致地区第1号、奇跡の森・濃密な歴史を持つエリアに、高さ制限を棚上げしてまでこのような巨大施設を作らねばならないかというものだ。この地域の特殊性を理解する参考として、主催者はフェイスブックで、NHK-BSハイビジョン特集「代々木の森の物語」「伊勢神宮」「春日大社」を紹介していた。ルーフネットはこれに加えて、発起人の一人でもある、中沢新一氏の「アースダイバー」をお薦めしたい。

アースダイバー表紙PA100696
中沢新一、2005年5月 講談社 A5版 252ページ 1,800円

現代の東京の地図の上に、洪積層と沖積層を塗り分けた縄文地図を重ね合わせることによって東京の地形が発している意味作用を読み解くアースダイバー=中沢新一氏。「アースダイバー」は誰も書かなかった東京創世記として桑原武夫賞を受賞した。

2013/10/10(木) 10:10:10|ニュース|

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