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屋上緑化で考えなければならない3つの外力

屋上緑化で考えなければならない3つの外力

「根・風・火」が3つの外力。屋上緑化、どうしてもというなら これを考えよう

田中享二先生が「建材試験情報」9月号に寄稿

3つの外力

建築にかかわる人間の本音としては、もともと植物を植えることを想定していない屋上に、草木なんか植えてほしくない。防水研究の第一人者田中享二東工大名誉教授の持論もそうだ。『屋上の防水層の目的は防水であって、植物を植えるためのものではない。だから出来ればやめてもらいたい。屋上緑化防水技術もまだ十分とはいえないのだから。とは言っても屋上緑化のメリットは大きく、これからの環境の時代を支える重要な技術要素である。それを市民が求めているなら、技術者として、これに応えて行く義務がある』という。

ならば防水側はどう取り組めばよいか。田中先生は3つのポイントを挙げた。それが「根・風・火」の3つの外力。

緑化防水に求められること その1:耐根性
カンボジア・アンコール遺跡、タ・プロムでは木の根が組石建造物を破棄し続けている。
自ら考案した測定装置と方法で調べた結果、根の肥大力は1日単位で脈動し、1メートルの根は44kN(キロニュートン)という、起重機並みの力で、石を持ち上げ、たやすくアスファルト舗装にヒビを入れる。

緑化防水に求められること その2:耐風性
田中先生は防水層に対する風の影響をより詳しく調査するために、世界初の実験を繰り返して、先頃の建築学会大会でも成果の一部を発表した。その結果から見れば軽量緑化システムでは強風時に被害を受けたのは当然であることが分かった。

緑化防水に求められること その3:耐火性
これまで議論が避けられてきた屋上緑化乃耐火性についても独自の実験を行った。屋上の枯れた芝は燃え広がる。防水層には影響はなかったが、立ち上がり部分に不安は残る。

この点に関して「終わりに」以下のように述べている。

米国では2010年に External Fire Design Standard for Vegetative Roofという設計指針が整備された。
(ついでに、風についても Wind Design Standard for Vegetative Roofing System という設計指針が整備されている)
何も外国のまねをする必要はないと思うが、我が国の健全な屋上緑化普及を望むとしたら、これら外力に対して安全な屋上緑化をどの様に作り上げていけば良いのかという、研究と議論を早急に開始すべき時期にあると思う。

㈶建材試験センター 建材試験情報2011年9月 p2-10

建材試験情報

2011/10/19(水) 01:36:19|緑化とルーフプラン|

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