なぜコンクリートは固まり、なぜコンクリートは劣化するのか?
なぜコンクリートは固まり、なぜコンクリートは劣化するのか?
「コンクリートの不思議を化学でひも解く」というタイトルの講演会が2月19日、東京・一ツ橋の如水会館」で行われました。講師は元大成建設土木材料研究室長で、首都大学東京教授の宇治公隆さん。
この講演会は、清水建設が開発したウレタン樹脂によるコンクリートひび割れ注入止水工法「ピングラウト工法」の施工団体である、ピングラウト協議会第24回定時総会での記念講演として実施されたもの。
総会議案審議の前に、同協議会設立の功労者であり、去る1月18日に死去した故穴沢邦重氏に黙とうを捧げた。
宇治先生の講演概要
コンクリートと鉄筋のとても不思議な3つの偶然??
①コンクリートと鉄筋。とんでもなく違う2つの素材の熱膨張係数が同じ。 だから1年を通じた寒暖による温度変化に対して一緒に動く。
②鉄筋とコンクリートはよくくっつく。
③鉄筋はアルカリ環境下では腐食しない。コンクリートのアルカリ分により、鉄筋表面に不動態皮膜ができ、守られる。おまけにありふれた材料であるため安価。そして耐久性も耐火性、加工性にも優れているため、爆発的に普及した。
さらになぜ固まるか?、劣化とその原因などが、スライドを交えて、分かり易く説明された。
マーケットとしての道路橋改修
我が国の道路橋の数は約15万。その約半数がコンクリート橋である。「既設橋の最適延命化方策の評価・策定7に関する研究プロジェクト中間報告書」、「道路統計年報」などの資料から、50年以上経過したコンクリート橋の数、高度経済成長期に作られた橋の数などが、報告された。
2010/02/25(木) 17:30:00|ニュース|